【naimaudio mu-so インプレッション4】 〜 では、mu-soを部屋の何処に置き、そして何処でリスニングするのか?
【それは、ごく普通の音楽リスナーのために】
図は、mu-soの置き場所とリスニングポイントを示しています。
通常のオーディオの場合、左右スピーカーの頂点である“Aポイント”“Bポイント”でリスニングする事が多いでしょう。
いわゆる、オーディオ的なスイートスポットっと呼ばれる位置となります。
特に“Aポイント”は、ニアフィールドリスニングでイチバン使われるリスニングスポットでもあります。
mu-so、実際に聴いてみますと、リスニング範囲の限定を極めて受けにくいのが特徴。
mu-soから離れた“Bポイント”であっても、同じく距離があってオフセンターに位置する“Cポイント“でも、
なんと、スピーカーサイドの“Dポイント”であっても、音楽のバランスが同じように聴こえます。
検証環境では、“Bポイント”“Cポイント”がイチバン心地よく聴こえた様に感じました。
出力という観点から見ても、かなり広いエアボリュームをカバー出来ています。
オリオスペック内のイベントスペース全域をはじめ、PCパーツ売り場の1/3程度はカバーしていると思います。
これ、鳴ってればイイんだっていうレベルでの話ではなく、
当然、音楽的、オーディオ的に満足出来るレベルのサウンドクオリティを以ての判断です。
従って、ちょっと広めなリビングルームをはじめとして、店舗、会議室のようなスペースにも適応可能だと思います。
またスピーカーの高さの影響も、試聴テスト時の印象では皆無と言ってよかったです。
テストの際は、椅子に座って耳の高さに当たる場所にmu-soを配置したのですが、
椅子から立っても地べたに座ったとしても、音楽のバランスという観点において
その聴こえ方に変化が生じなかったのです。
端的に言ってしまうと、
「スイートスポットという概念が無いのではないか?」と思うほど、サービスエリアが異常に広い感覚。
これ、オーディオ好きな方からすると、驚くどころか信じられないかもしれません。
すなわち、mu-soのサウンドコンセプトは「レイアウトフリー」である事を意味しています。
オーディオマニアのセグメントではなく、これはマスユーザーに焦点を当てたプロダクト。
ハードウェアの設置場所をオーディオ的な理想ポイントに固執することが出来ないであろう、
そんな一般ユーザーにこそ、この配慮は本当に有益なものとなるはず。
mu-soをリビングルームの中で無理なく置ける場所に配置しておけば、
キッチンで洗い物をしていようと、掃除をしていようと、ゆっくり本を読んでいようと、
mu-soから流れるサウンドは、しっかりとリスナーの耳へとデリバリーされるわけです。
<IR受信部とnaimロゴのイルミ。イルミの輝度はアプリで調整可能>
naimによるDSPのソフトウェアチューニングでもう一つ触れておきたい点があります。
それは、mu-soの設置場所によってサウンドバランスを調整出来ることです。
図は、mu-soの設置場所を示しています。赤矢印の長さに注目してください。
左右の図を比べますと、壁とmu-so本体の距離が違っています。
LS3/5A等の小型スピーカーを愛用なさっていらっしゃる方は、おそらくお気づきでしょう。
本体から壁の距離が近い場合、サウンドが壁を反射する事により低音が増幅される
「バウンダリーエフェクト」という現象が発生します。小型ブックシェルフスピーカーは、
この距離をセッティングにて調整することによって、低音の量感をコントロールするわけですね。
踏まえ、mu-soです。
そんな難しい理屈は抜きにして、壁にピッタリくっつけて配置する時と離して配置する時に分けて、
独自のパラメータでイコライジングを掛けるのです。
従って、設定を切り替えさえすれば、室内のどこに配置しようが
常にフラットバランスなサウンドチューンが施される、といったわけですね。
なお、この切り替えはタブレット側のアプリで行います。
アプリのGUIにも、この点がわかりやすく表示されますので、どなたでも設定可能となっています。
<ルームポジションでのサウンドチューンは、セットアップから可能>
<ルームポジション画面。現在は“壁から離れたところ”で設定>
つづく