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【御礼とご報告】【ハイレゾ・DSDと戯れる】 新製品!KORG DS-DAC-10Rを早速使って、アナログアーカイブの実演イベント・その2
前記事(その1)から続きます


アナログレコードアーカイブ関連のイベントですが、オリオスペックでは過去二回ほど開催致しました。
延長戦も含めたら数知れずか。これまではレコーダーによるハードウェアベースでのアーカイブだったのですが、
第三回目のKORGさんイベントでは実現の仕方がちょっと異なっておりまして、ソフトウェアベースでのアーカイブです。
簡単に言ってみると「PC上の専用アプリを操作してファイル化する」という意味合いですね。


▽ハイレゾ・DSD界隈における 「技のデパート」 KORGさん

ハイレゾ・DSDマーケットにおけるKORGさんの動きって、とってもアグレッシブなんですよね。
ここ最近のことではなくって、もうずっと。
DSDをキーワードに多方面且つ積極的に商品展開しつつ、ハイレゾ・DSDマーケットを耕していらっしゃる。
Clarityっていうプロフェッショナル用DSDレコーディングシステムの開発実績も持ってらっしゃるし。
ここ最近ですと、DSD128のリアルタイムストリーミング配信実験 (1/2/3/4/5) の主要メンバーでもあるわけでして。
これまでハイファイオーディオマーケットを牽引していたオーディオ専業ブランド顔負け。

で、2015年の年末期にリリースされたのがこのDS-DAC-10RとAudioGate4
KORGさんの志向を分析してみるところ、ハードウェアと自社アプリケーションソフトを並立させるイメージ。
AudioGateを見てもそうですし、PrimeSeatも、iAudioGateも同様のスタンスかと。
ハードウェア志向の強い従来オーディオメーカーさんとは少々異なるアプローチ。
アプリケーションを核にして様々なハードウェアを連携させる方向性であるからこそ、
新しいサービスへの適合が柔軟ですし、展開もスムーズなんでしょうねえ。
大変現代的なハイファイオーディオのスタイルだと思う次第。

s-Korg_03.jpg
<AudioGate4の操作を解説される、KORG蛭田さん>


▽核となるAudioGate4とサウンドインターフェイスとしてのDS-DAC-10R

いわゆるハード+アプリケーションの連携でアーカイブを実現するカテゴリの製品ですが、
DS-DAC-10R本体はサウンドインターフェイスデバイスとして、
AudioGate4はDS-DAC-10Rの制御機能を兼ね備えたシンプルな簡易DAWとして捉えることが出来るかと。
ちなみに、このイベントで利用したDS-DAC-10R本体やAudioGate4は製品リリース版と考えてよい仕様、だそうです。

実際に操作をするのはAudioGate4になるのですが、GUIが整理されていて数回弄っただけで理解出来そう。
入力レベルを調整したり、レコード盤の導入部の針音を切ったり、編集した音源をファイルとして吐き出すなど、
デモ操作を拝見していても、とてもシンプルな手順で完結しています。
アーカイブに必要とされる基本機能のみを実装しているそうですので、
コンシューマレベルがササっと使う程度であれば、これは大変好ましいと思います。
機能は沢山あっても操作手順が難解であったり、見た目がごちゃごちゃしていたら使う気すら失せるってもの。
機能が山ほどあっても使わないんじゃ意味ないし、使いにくくて触らなくなっちゃったら元も子もありませんものね(笑)

s-audiogate4_02.jpg
<極めてシンプルなAudioGate4〜これでDS-DAC-10Rの機能も操作>


DS-DAC-10Rのハードウェア仕様は以下の通り。
--------------------------
ADCチップ:TI PCM4202
DACチップ:Cirrus Logic CS4398
フォノイコの増幅部:TI OPA1662
--------------------------

ADCチップは著名なレコーダーKORG MR-2000Sと同一、DACチップも他のKORG製DACと同一でして、
ハードウェアは使い慣れていると思ぼしきデバイスによって手堅く構成されています。
従って、レコーディング用のADコンバータ、プレイバック用のDAコンバータのクオリティは
実績豊富なこれまでのKORGさんの製品に準じておると解せます。

フォノイコの増幅部については、MMカートリッジ対応の仕様です。
MCカートリッジをご利用の場合は昇圧トランスかヘッドアンプを併用なさってください。
(関連事項は別途記載)

DS-DAC-10R_Front.jpg
<再生中のサンプルレートは、左ノブのカラーインジケータでも識別も出来ます>

DS-DAC-10R_Rear.jpg
<しっかりした筐体はダイキャスト製。銅メッキのリアパネルに金メッキ端子。インシュレーターは三本脚>

----------------------------------
電源はUSB BUS POWERED。これ、手軽にご利用頂くための配慮だそう。
未検証ではありますが、aurorasoundさんのBusPower-PRO2あたりで電源チューン出来ないかな?、なんて妄想してます。
※ご注意: DS-DAC-10RとBusPower-PRO2の動作は未検証です。
----------------------------------


▽特徴的なソフトウェアベースのフォノイコ機能

前記事で触れましたが、DS-DAC-10RとAudioGate4の組み合わせにおけるフォノイコライザー機能は、
以下の二つに分離されて実装されています。
----------------------------------
DS-DAC-10R: MMカートリッジレベルの増幅部
AudioGate4: イコライザ―部
----------------------------------

この特異な仕様、実はアタマの使い方が大変上手なアプローチでありまして、
イコライザー部をソフトウェアとしてデジタル領域で実装することにより、以下の特筆すべき機能を実現するわけです。
----------------------------------
1.多彩多様なイコライザ―カーブを安価な価格で実装
2.規格に忠実で定数的な観点から大変精度の高いイコライザカーブを実現
3.イコライザレスなサウンドでのデータアーカイブすら可能
-----------------------------------
※1項と2項は、共にソフトウェアベースでの最も大きい恩恵とも言えましょう。

AudioGate4では、イコライザ―カーブについて以下の6つを実装しております。
-----------------------------
・RIAA
・RIAA-IEC(RIAAにサブソニックフィルターを追加)
・NAB
・FFRR(DECCA)
・COLUMBIA
・AES
※上記以外にOFFも選択可能
------------------------------

主要なイコライザ―カーブを複数実装している点は、
アナログ派クラシックマニアの方を始め、ジャズファンの方には有益ですよね。

これら、デジタル領域におけるソフトウェアでの実現ですから、
抜群のS/Nに加えて左右偏差が無く、規格上の定数にも極めて正確であるわけです。
おまけに、ソフトウェアのバージョンアップによるカーブ種類の追加実装も柔軟に対応可能。
なんとまあ、そんな仕様を大変安価(実売5万円台)に実現している、ときました。

このように高精度で多種多様なイコライザーカーブを持ったフォノイコを通常の素子で組もうとしますと、
素子の選別からそれはそれは手が掛かることとなりまして、とても手が出ない価格帯のフォノイコライザーに
なってしまいます。実際そういう憧れ的雲上モデル、存在していますでしょ?

------------------------------
※アナログレコードってホント奥が深いですよねえ。
RIAAカーブ統一後においても、ヨーロッパではまだRIAAにしていないレーベルもあったらしいですし、
同名タイトルのモノ盤とステレオ盤でイコライザ―カーブが違ってる、なんて事例もあります。
レーベルサイドが、RIAA統一前に他のカーブで作成したマスターを再度RIAAで作り直したどうか?なんてのも不明です。
そもそも統一されたと言われるRIAAカーブだって、1976年を境に旧RIAAから新RIAAへと変わるんですもの。
------------------------------


▽フォノイコ機能のONとOFFについて

このモデルでアナログレコードをアーカイブする場合、イコライザ―の掛け方にまあ色々とやり方があるのですよ。
これ、DS-DAC-10RとAudioGate4を使いこなすには理解しておくべき内容でしょう。
-------------------------------------
<録音の方法が3通りあります>
1.DS-DAC-10RとAudioGate4のフォノイコ機能を使って録音する
2.DS-DAC-10RとAudioGate4のフォノイコ機能を使うけど、RIAAイコライジングはしないで(逆RIAAのまま)録音する
      ⇒ アーカイブデータをそのまま再生すると逆RIAA状態でオカシくなるので、再生時にRIAAを掛けます。
          詳しくは次項で。
3.DS-DAC-10RとAudioGate4にLINE入力して録音する
      ⇒ フォノイコは愛機を利用する形になりますので、現在気に入っていらっしゃるアナログサウンドで録音できます。
-------------------------------------

ここでのポイントは3項。
現在ご利用のフォノイコを含めたアナログレコードのサウンドをそのままデータアーカイブしたい場合は、
LINE入力に切り替えてDS-DAC-10RとAudioGate4のフォノイコ機能をバイパスさせて頂ければ結構です。
このLINE入力であれば、テープメディアやCD等のLINEレベルのソースもデータアーカイブ可能となります。


▽録音時と再生時、別々にイコライザ―機能を持つAudioGate4

面白いことに、AudioGate4は録音と再生で別々にイコライザー機能を実装しています。
通常アナログレコードをアーカイブする場合は、録音時にRIAAイコライザーを入れて、
低域と高域を本来のサウンドバランスに戻しつつハイレゾ・DSDな音源ファイルを作成するわけです。

s-録音時RIAA設定.jpg
<録音時におけるイコライザ―の設定箇所 ※再生時の場所とは違います>


で、ここからがAudioGate4の特異なところ。

これ、録音時にRIAAイコライザーカーブをOFFに出来ることもできますので、
アーカイブ時にOFFにした場合、レコードに切られたままの逆RIAA状態でデータ化する事も可能なのです。
で、再生する場合は、再生時に働くRIAAイコライザ−をONにするというわけ。

これ、ちょっと工夫すると色々面白い事が出来そう。
録音レベルを思いっ切り下げてアーカイブし、ファイル再生時には通常型のフォノイコへ突っ込んでみるとか。
アンプ(フォノイコ)を自作なさる方のチェック用音源作成ツールとして重宝すると思うんですけどね。
いつか逆RIAAも掛けられるようになったら、CDなどのLINEレベルなソースでも
ゲインを下げた上で逆RIAAエンコードを施しハイレゾファイル化。
で、それを通常型のフォノイコを通じ再生する、なんて遊びが簡単に出来そうです。
これと同様なCDの逆RIAA処理再生、10年ほど前には一部のマニアの間で流行りましたよね。

s-再生イコライザ設定.jpg
<再生時におけるイコライザーの設定箇所 ※録音時の場所とは違います>

----------------------------------
※ご注意
AudioGate4の仕様上、アーカイブ時にRIAAを掛けた場合でも、再生時に再びRIAAを掛けることが出来てしまいます。
これをやると二重でRIAAが掛かってしまうので、ブースト処理をする低域はもちろん歪みます。
----------------------------------


▽アーカイブ時のサンプルレートとファイルフォーマット

DS-DAC-10RとAudioGate4で作成できるサンプルレートとファイルフォーマットは以下の通り。
ハイレゾ・DSDで一般的に利用されているものはしっかりと押さえられています。
-------------------
PCM:
・量子化ビット 16 〜 32bit(float)
・サンプルレート 44.1〜192kHz
・ファイルフォーマット WAVE/BWF/AIFF

DSD:
・DSD64(2.8MHz)〜 DSD128(5,6MHz)
・ファイルフォーマット DSDIFF/DSF/WSD
-------------------
PCMは32bit(float)が出来ることとBWFも対応していること。
DSDは大変めずらしいWSDに対応していることが特徴でしょうか。

s-サンプルレート設定.jpg
<ちょっと見えにくいですが、サンプルレートの設定箇所〜環境設定>

s-PCMファイル設定.jpg
<PCMでのファイルフォーマットの設定箇所〜録音設定>

s-DSD録音ファイル設定.jpg
<DSDでのファイルフォーマットの設定箇所〜録音設定>


▽DSDアーカイブ時のイコライジングについて

ここまでつらつらと機能を書き連ねてきたわけですが、
DSDにまつわる事情に関してちょっとお詳しいはお気づきになったかも。
DS-DAC-10RとAudioGate4でDSDアーカイブした時って、RIAAイコライジングはどうやって掛けているのだろう?っと

DSDってレコーディングは出来ても、実はそのままではイコライジング等のサウンド加工が施せないのです。
DSD領域で出来る事というのは本当に限られていまして、切る・繋げるくらいなもの。
DSDレコーディングした音源に対し、いわゆるマスタリング過程で行うような細かいサウンドの加工を行う場合、
著名なDSD用のDAW Merging Pyramixでは、DXDというフォーマットに一時変換して加工しています。
最近耳にするこのDXD、実は24bit352.8kHzPCMや24bit384kHzPCMが実態です。
つまり、自由に加工が出来るPCMに一旦変換し、PCM領域においてマスタリングした上で再度DSD化するわけです。

アナログレコードで利用するイコライジングカーブの処理もこのマスタリングと同様ですので、
DSD領域でそのまま処理してしまうことは出来ません。
このAudioGate4についてもこの制約は当然に当てはまると思われます。
推測するに、ますはPCM領域でイコライジング処理した上で、
その後ΔΣ変調を加えることによってDSD化しているのではなかろうか?と考える次第。
このイベントにおいては、このあたりのカラクリの詳細解説はありませんでしたが、
KORG蛭田さん曰く、「DSD128ならDSD128のレゾリューションを維持できるよう処理している。
それがAudioGate4の売りのひとつ」とコメントなさっておられました。
AudioGate4のこの仕様については、今後詳しいことが明らかになっていくのではないか?と想像します。


▽で、アーカイブしたサウンドは一体どうだったのか?

DSD128(5.6MHz)と32bitfloat 192kHzPCMでお題の曲をアーカイブしてみました。
PCMとDSDでの音調にはやはり差違がありますねえ。ここはとても面白いところです。
マスターとするアナログ音源をはじめとして諸条件は全く同じですので、
同一環境下におけるPCMとDSDの差異を比較することが可能になったわけです。

PCMについては、立ち上がりの早いシンセと打ち込みドラムのリズムがバシバシ決まります。
キツさも含めたエネルギッシュな強さに加え、リズム感とスピード感が前面に出るイメージですね。

s-32bit192k.jpg
<32bitfloat 192kHz PCMでアーカイブしたファイルを再生中>

DSDについては、少しミッドレンジが抑えめになり、低音方向は無駄な肉がそぎ落とされる感じですね。
余韻ある響きやハーモニックスが特に感じられて、少々優しめなチューンです。
KORGさんのDSDサウンドって、独特なカラーを持つような気がするんですよねえ。

s-DSD5.6M.jpg
<1bit 5.6MHz DSDでアーカイブしたファイルを再生中>

会場の皆様にお好みを伺ったのですが、ここでは意見が完全に分かれました。
どちらか決めかねた方も多く、個々人の感性が垣間見えて興味深いところです。
お題のアルバム(BOB JAMES / OBSESSION)については今回S弐号によるチョイスだったのですが、
KORG蛭田さんもこのアルバムをよくご存知でいらっしゃいました。
リアルタイムでお聴きになっていたそうなのです。蛭田さん、同世代なんだな(笑)

で、そんな蛭田さんも、実はPCMハイレゾとDSDのどちらがお好みか決めかねておられました。
というのも愛聴盤はCDだったそうで、聴き慣れたCDサウンドの音調がベースにあるものですから、
記憶と異なるサウンド基調に対しての評価軸がすぐには定まらなかったらしいのです。
踏まえ、「DSDか?PCMか?」とか「ハイレゾか?否か?」の選択根拠となる判断軸とは、
見かけの数字やサウンドの善し悪しだけで単純に決められるものでもなく、
リスナーの記憶とか経験、想い出、そういう心理的要因をも大きく影響を及ぼすのだ、という事実に気が付くのです。
そんな感覚に至るのも、懐かしいアナログレコードを使ったアーカイビングならではのことかな?と。
これって、ちょっといいお話でしょ?(笑)

s-OBSESSION.02jpg.jpg
<お題のレコードは、1986年リリース・BOB JAMESのOBSESSION(US盤)>
※選んだ楽曲は こちら(前記事)でご覧ください


▽デジタルフォノイコ目的でも使えます

録音しなくても入力サウンドのモニターは出来ますので、PCを使ったデジタルフォノイコとしても利用できます。
実は私物のカートリッジを複数持ち込んでおりましたので、イベント終了後に三種類ほど付け替えて試聴してみたのです。
カートリッジの違いをキチンと描き出しておりましたよ。カートリッジを替える楽しみだってちゃんと満喫できますね。
※再生サウンドは、当然AudioGate4に設定されたPCMやDSDのサウンドになります

DS-DAC-10RとAudioGate4のイコライザ―機能のサウンドと外部のフォノイコのサウンドの差を確認したり、
PCMやDSDのサンプルレートを変えたりする事で音調の違いをチェックしたりと、
レコーディング前にお好みの音調を探すため、色々とお試し頂くことも出来ますね。
もちろん逆RIAA状態のサウンドも聴けますし、イコライザカーブが分からないレコードの場合、
あれやこれやカーブ設定を変えつつ 再生音から正しいと思しきイコライザカーブ探ってみる、なんて事だって可能ですよ。

UA-5045系.jpg
<audio-technica AT14Ea / Victer UA-5045系のアーム>

-----------------------------------------
※アナログプレーヤーの扱いに馴染みの薄い方へご案内
トーンアームケーブルとUSBケーブルのワイヤリングは、特に慎重に。
ケーブルタッチしてますと不用意にノイズを拾いますよ。
適切なワイヤリングを行うために、DS-DAC-10Rの設置位置も含めてしっかり検討しましょう。
ワイヤリングや設置位置に対する配慮、アナログプレーヤーを使いこなす上で重要なポイントです。
アナログプレーヤーの対向がアナログなフォノイコライザーや昇圧トランス、ヘッドアンプでも一緒です。
------------------------------------------


▽そのほか気が付いたこと

今回はアナログレコードのアーカイブ、つまりADコンバータをテーマに話を進めたわけですが、
USBDACとしても実績豊富なKORGさんの製品クオリティ。どうぞご安心を。
オーディオ的にいろいろと配慮された筐体は造りがいいし、外装デザインについてはより垢抜けたかもなあ。

ソフトウェアの操作性がよく、ハードウェアの大きさも扱いやすいように考えてあって大変お手軽。
ADCもDACもアプリも付いているので、これ一台あればハイレゾ・DSDでやることはワンストップで完結します。
自社製品で完結するということは、サポートに関するユーザーサイドの恩恵も極めて高いのです。
で、ハードウェア+ソフトウェアで実売5万円台を想定したリーズナブルな価格。この商品コンセプトはお見事。
今愛用なさっているUSBDACがある場合には、DS-DAC-10RのADC機能だけを限定的に使ってみるって利用法も
オーディオマニア的には許容出来ちゃうプライスなんですよねえ。

今回はアナログレコードを軸にイベントを展開したので、その観点でもう少し補足を。

アナログオーディオが持つ魅力とは、精度とか正確性の様な世界観に第一義を置くわけではないと思うのです。
これは熱心なアナログレコードファンの方なら絶対ご理解頂けるはず。
反面、理屈を追及してみたいとする「理想」を求めつづけたファンも昔からいらっしゃるのは事実ですよね。
デジタル領域でイコライジングする今回のKORG DS-DAC-10RとAudioGate4、視点をちょっとずらしてみますと、
新しいスタイルのアナログレコードプレイバック機器として捉える事も出来ると思います。
従来のアナログ用ハードで簡単には実現出来なかったものを、手に届くところまで身近にしてくれた機器、と言いましょうか。
アナログレコード再生の考え方を、アナログ領域でのイコライジングや増幅という過程に囚われなければ・・・ですけどね。

最近アナログレコード再入門でご利用が増えているリーズナブルなフォノイコ付プレーヤー向けの
「アップグレードフォノイコ兼ハイレゾ・DSDアーカイバー」としてもイケると思いますよ。

ハイレゾになってない音源を手軽に自炊されたい方だけに限らず、ライトユーザーの方をはじめとして、
アナログレコードに馴染みの薄い、いや全く馴染みのないデジタルエイジな皆さんへのアナログ入門機としても
おススメしてみたいと思います。

ハイレゾに軸足を置きつつ、個人でアナログオーディオもいっぱい楽しんでいるオリオスペックでございますが、
S壱号・S弐号共にかなり興味を惹かれた製品でした。

<DS-DAC-10R+AudioGate4のご購入はこちらでどうぞ>


▽最後に

この度は多くの皆さまにご来場頂き、誠にありがとうございました。
特にベテランオーディオファンの皆さまの熱い視線が印象的です。
また、お忙しい中講師をお願いしましたKORG蛭田様にも御礼申し上げます。
皆さま、ありがとうございました。

s-korg_06.jpg

以上となります。
 
【御礼とご報告】【ハイレゾ・DSDと戯れる】 新製品!KORG DS-DAC-10Rを早速使って、アナログアーカイブの実演イベント・その1
この日は、再びアナログレコードのアーカイブについて解説するイベントです。

アナログレコード絡みのイベントは、やっぱり注目を集めるのですねえ。
スタート20分前の時点でこの通り。既にお客様とS壱号がなにやら談笑中。
この時点で、既に活発なコミュニケーションがはじまっております(笑)
皆さん、とても熱心でいらっしゃる。

s-korg_01.jpg
<早!スタートまでまだ20分もありますが(笑) S壱号が前座を担当>


で、スタートでございます。ありがたいことに満席です。
告知期間が大変短かったにもかかわらず、多くの皆様にご参加頂きました。
当日朝、駆け込みのお申込みも頂戴した次第です。感謝感激です!

s-korg_02.jpg
<この日も熱心なファンの方がいっぱい。メモを取られたり、皆さん真剣なのです>


今回は主役はこちら。
2015年11月末にリリースとされた、KORGさんの新製品 DS-DAC-10R と AudioGate4
2015年末話題のモデルでございますが、正式リリース前にフライングでイベントさせてもらっちゃおうという企画。

DS-DAC-10R._adjpg.jpg

これ、DS-DAC-10RとAudioGate4を組み合わせて使うというところがポイント。
これまでのKORGさんのDACと同様にハイレゾ・DSDファイルの再生が可能なだけでなく、
加えて、アナログレコードやテープメディアをマスターにしたハイレゾ・DSDアーカイブも可能になっております。
はい、A/Dコンバーター+D/Aコンバーターが両方くっついたモデルというわけです。

で、DS-DAC-10Rにはアナログプレーヤーも直結できるようになっております。
これを実現するための仕様が大変ユニークなのですが、
DS-DAC-10RではMMレベルの増幅処理を、AudioGate4ではイコライザ処理を分担して受け持ちます。
一般的なMM用フォノイコライザーの機能がDS-DAC-10RとAudioGate4に分割されているイメージですね。
なお、アナログレコードのサウンドは録音していなくてもモニター可能ですので、
アプリケーションソフトを利用したデジタルフォノイコの側面も持っている次第。

LINEレベルでの入力も可能ですので、お気に入りのフォノイコライザーから入力して頂いたり、
カセットデッキなどのLINEレベル機器からの入力ももちろん可能になっています。

詳しくはのちほど触れてみようと思うのですが、
こんだけ色々なことが出来るのに価格はとってもリーズナブル。
実売想定は5万円台とのことですので、えー!?な気分です。

s-DS-DAC-10R.jpg
<A/DコンバートもD/Aコンバートも可能な、DS-DAC-10R。これとAudioGate4で完結>

s-Audiogate4_01.jpg
<真の主役はこれだと思う。KORG製ハードウェア群の中心核を成すAudioGate4>


会場には予告の通りアナログレコードプレーヤーをご用意。
80年代の国産ミドルレンジDDプレーヤー Victor QL-7に、カートリッジはAudio Technica AT14Ea。
この出力はDS-DAC-10Rに直結させております。

s-QL7.jpg
<80's Direct Drive Victor QL-7とaudio-technica AT-14Ea>


今回のイベントでの物理構成をご説明しますと、こんな感じです。

<録音系>
----------------------------------------
“PL・QL-7/AT14Ea”⇒<Phono>⇒“ADC・DS-DAC-10R”⇒<USB>⇒“PC+App・Ritmo/Win10/AudioGate4”
----------------------------------------
<再生系>
----------------------------------------
“PC+App・Ritmo/Win10/AudioGate4”⇒<USB>⇒“DAC・DS-DAC-10R”⇒<Line>⇒“AMP/Speaker”
----------------------------------------
※USBケーブルは一本のみ(入出力を1本で賄っています)
※Phono(MM)の増幅はDS-DAC-10Rが担当、RIAAイコライジングはAudioGate4が担当します。

s-system_all.jpg
<QL-7の横にDS-DAC-10Rを配置。大型モニターではAudioGate4のGUIと操作過程をご覧頂きます>

s-AMP_Ritmo.jpg
<AudioGate4を動かすPCはOliospec Ritmo、アンプは 80’s〜90’s ONIX OA21S>

s-HARBETH.jpg
<スピーカーはHARBETH Monitor20.1。OA21Sとでブリティッシュハイファイを構成>


お題のアナログレコードは、1986年リリース・BOB JAMESのOBSESSION(US盤)。
BOB JAMESがシンセサイザー志向を強めた時期のアルバムで、打ち込みも多用された作品。
ベースにはMarcus Miller、ギターにはSteve Khan、サックスにはKirk WhalumやMichael Brecker、
トランペットにはRandy Breckerなんて、FUSION界でお馴染みの人がドカッと参加しております。
このアルバムの中から、パルシブなシンセによるハーモニーと打ち込みの切れるリズムが快感を誘う 
インストゥルメンタルのタイトル曲“OBSESSION”と
Lisa Fisherによるちょっぴりアーバンなボーカル曲“Gone Hollywood”をチョイス致しました。

s-OBSESSION.02jpg.jpg
<お客様の中にも聴いてらした方がいたみたい。KORG蛭田さんも愛聴してたらしく>


で、解説はこの方。終始笑顔のKORGの蛭田さん。
だれも触れた事のないAudioGate4ですから、理解しやすいようとても丁寧にご案内頂きました。
また、イベント終了後に繰り広げられるオリオスペック恒例・延長戦にもお付き合い頂いた次第。
ありがとうございました。

s-korg_07.jpg
<蛭田さんの笑顔をバッチリ捉えたショット(笑)>


進行はS壱号とS弐号が前半・後半に分かれて担当させて頂きました。

s-korg_05.jpg
<漫談していないS弐号、アナログを語ってみたの図w>


次の記事(その2・詳細レポート)に続きます。

 
【ご報告】 【PCオーディオ設定講座】 Mytek Digital Manhattan DACを鳴らすためのPC設定、全て教えちゃいます!
題して、「Mytek Digital Manhattan DACを鳴らすためのPC設定、全て教えちゃいます!」
なんともまあ、風呂敷を広げたタイトルなイベントですよね。

実はそれ、本気も本気。
2015/10/31のオリオスペックのイベントスペースは、もうパソコンスクールの様相(笑)

正面には講師用のMytek Digital Manhattan DACとRitmo、大型モニターを配置。
で、受講生の皆様用には、Manhattan DACと同じ設定を施すStereo192-DSD DACにヘッドフォン、
PCとしてRitmo/Ritmo Filsのいずれかと、モニター・キーボード・マウスをそれぞれワンセットずつご用意。
※PCの内一台は、お客様が普段ご利用の私物をお持ち込みされています。

もちろんすべてのPCはインターネットへもアクセス可能にしておりますので、
設定のスタートからフィニッシュを至るまでを存分にご体験できるわけですね。
偽りなく、ダウンロードを含めた “すべての工程を実体験して頂ける” イベントだったのでございます。


▽この講座で行った内容一覧

< 業界標準のソフトウェアを利用して、ハイレゾ・DSDの再生とCDリッピングを出来るようにしよう >
〜 foobar2000 + 機能拡張用プラグインモジュール / dBpoweramp インストール設定編 〜
--------------------------------------------
1.PCにインストールすべきソフトウェアを確認して、そのファイルのダウンロードをやってみよう
2.ダウンロードしたファイルを順を追ってインストールしてみよう
3.Manhattan DACをPCに接続してみよう
4.Manhattanで音を出すための設定を、インストールしたソフトに投入してみよう
5.投入した設定で、実際に音が鳴るかどうか聴いてみよう
6.リッピング用ソフトでCDをリッピングしてみよう。
7.リッピングデータをPCM44.1kHzで再生したり、アップサンプリングやDSD変換でサウンド基調を変化させてみよう。
8.Manhattanの本体設定を調整して、サウンド基調を変化させてみよう
--------------------------------------------


<シェアウェアの試用版をダウンロードしてインストールしてみよう>
〜 JRiver Media CenterとHQPLAYER3のインストールと設定編 〜
--------------------------------------------
・JRiver Media Centerの試用版をダウンロードしてインストールしてみよう
・JRiver Media CenterにManhattan DACを鳴らす設定を投入してみよう
・投入した設定で、JRiver Media Centerが実際に音が鳴るかどうか聴いてみよう
・HQPLAYER3の試用版をダウンロードしてインストールしてみよう
・HQPLAYER3にManhattan DACを鳴らす設定を投入してみよう
・投入した設定で、HQPLAYER3が実際に音が鳴るかどうか聴いてみよう
--------------------------------------------


< フリーウェアのfoobar2000とシェアウェアの再生ソフトの比較試聴をしてみよう >
〜 foobar2000 vs HQPLAYER3 vs JRiver Media Center 〜
--------------------------------------------
・フリーウェアのfoobar2000を基準に、再生ソフトを変えるとサウンド基調に差が出るかどうかを確かめてみよう
    ⇒ DAC:Mytek Digital Manhattan DAC/PREAMP + PC:OLIOSPEC オーディオ用PC Ritmo
    ⇒ 基準ソフト:foobar2000 + 機能拡張モジュール
    ⇒ 比較ソフト2:HQPLAYER3
    ⇒ 比較ソフト3:JRiver Media Center
    ※foobar2000 + JPLAYは事情により割愛
--------------------------------------------



以下、写真で振り返る「Mytek Digital Manhattan DACを鳴らすためのPC設定、全て教えちゃいます!」イベントです。


s-RIMG0164.jpg
<さあ、PCオーディオスクール・オリオスペックの開校です>

s-RIMG0165.jpg
<受講生の皆さんにはこれをワンセットずづご用意。もちろんInternetアクセスもOK>

s-RIMG0167.jpg
<本日の主役、Mytek Digital Manhattan DACとOliospec オーディオ用PC Ritmo>

s-RIMG0166.jpg
<講師の操作は、大型モニターを通じて皆さんと共有します>


この日、実際にご参加頂きましたのはお二方。おひとりは近日Manhattan DACのオーナーになられる方でございます。
当日の欠席が2名様となり人数が減りましたので、「折角ですからマンツーマン体制で講義を開始しちゃいましょうか」
ハイ。S壱号名物、突然のヒラメキ(笑)です。そんなわけで、なんとも濃い講座がスタートする事となりました。
S壱号講師のフォロー役はS弐号が仰せつかりました。

インターネット回線が用意してあるわけですので、ファイルのダウンロードから体験して頂いてます。
googleで検索し、必要なファイルがダウンロードできるwebページを探し出し、
それをダウンロードしてPCに格納し、格納先からファイルをインストールするという一連の工程。
イロハのイから “すべて” でございました。


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<講師S壱号、Manhattan DACを鳴らすまでの設定を熱く語る>
Manhattan DAC用ドライバダウンロードにインストール、認識作業にはじまり、
foobar2000の本体・追加モジュールのダウンロードとインストール、そしてManhattan DAC用の設定パラメータの投入。
foobar2000はハイレゾ・DSDを鳴らす最もスタンダードな再生ソフトなんですけど、
これらすべての工程を正しく踏まなければ、イイ音どころかそもそも想定どおりに音が鳴りません。
この初期設定を理解出来れば、他のUSBDACや他の再生ソフトに変わってもちゃんと設定できるようになるはずです。


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「ここのところ、ポイントです」「どこ? あ、そこ。ハイハイ」
例え手順書があっても、目の前で説明を受けていても、設定する場所がどうにも見つからないなんて事はあるものですよね。
講師はその場にいますから、もちろんしっかりとフォローさせて頂きますよ。
設定は他人任せではなく自力でやってみるわけですから、しっかり頭に残り、そして理解できるようになるはず。
オーディオマニアであればアンプやスピーカーの結線が当たり前に出来るように、
PCオーディオ用の設定だって自力で出来るようになって頂きたく。


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「ここまで、大丈夫でしょうか? ご質問ございませんか?」
設定の中には、USBDAC側の指定どおりにもれなく投入しておかねばならない項目があります。
ちゃんと手順を踏まないと音は出ませんから、工程毎の確認は大切なのです。
投入し忘れや不明点があったとしても、置いてけぼりにはしませんからご安心を。
「過不足なく正しい手順を踏む」 それはとても大切なことなのです。



foobar2000に投入した設定パラメータは正しかったのか?
手元のStereo192-DSD DACからのヘッドフォンモニターで動作を確かめてみましょう。
正しければ、ちゃんと耳元から音源のサウンドが流れてくるはずです。
最後まで自力で完結させてゆく体験が出来、しかも完結した否かをその場で確かめることが出来る。
今回の設定体験講座の一番の売りでございます。皆さん、バッチリ設定できましたよ。


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dBpoweramp CD Ripperのオプション設定も大事なので、ここもしっかりと。
ファイル品質や使い勝手に関わる部分もちゃんとフォローさせて頂いております。
こういう細かいところには、個々人のノウハウやコツが結構隠されているところです。

急遽今回は、JRiver Media CenterやHQPLAYER3の試用版ソフトウェアのダウンロードやインストール、
設定についても体験をして頂くことになりました。ご参加の人数が減りましたので大サービスです(笑)


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では、Manhattan DACからのサウンドで再生ソフトによるサウンドの違いを確かめてみましょう。
foobar2000、JRiver Media Center、HQPLAYER3の差違を皆さんで体験します。
DAC本体の差だけじゃなくって、再生ソフトであるレンダラーの違いは
PCオーディオを使いこなすための重要なポイントです。ここは是非ともご体験頂きたかった内容なのでした。


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凛々しい講師S壱号の背中。今日はなんだかいつもの漫談スタイルじゃないですねえ。
今回の講座はかなりボリュームのある内容でして、講師側も真剣に挑まないとグダグダになってしまいます。
受講生の皆さんも終始集中なさっておられたので、お疲れになったのではないでしょうか。
皆様、本当にお疲れ様でした。

以上、ご報告でした。
 
【御礼とご報告】 10/24(土)イタリアワイン試飲販売会とコラボレーション@JR市川駅北口 夏秋武蔵屋酒舗さん

▽イベント当日の街の様子

前回開催の5月もそうでしたが、夏秋武蔵屋酒舗さん&フェリアさんとの
イタリアワイン・コラボレーションイベントの空模様ってホントに恵まれます。
2015/10/24(土)の市川もやっぱりそうでした。優雅な休日の午後。
穏やかな大門通りは、人だけでなくネコさんやイヌさんものんびりお散歩です。


<この日ものんびりとした大門通り@JR市川駅北口>

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<かわいいワンちゃんとデート中のご婦人。ワインをお楽しみです。優雅ですよね>

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<夏秋武蔵屋酒舗さんの看板ネコのズラちゃん。この日は近所の見廻りに出発です>


▽オリオスペックが出張開設したハイレゾサウンド試聴コーナー

夏秋武蔵屋酒舗さんのM'bisコーナーをこんな感じにデコレーションしてみました。
今回もなかなかなものでしょ?(笑)

オーディオ機器って、“音がイイ” だけじゃ足りないんじゃないかしら。
モダンだったりレトロスタイルだったり、ステキなデザインであればあるほど
お部屋の雰囲気に溶け込めるようインテリアとしても気を遣ってみたいな、と。
そんな空間で気持ちや心が豊かになっていく感覚を大事にしたいよね、と思うのです。

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<大門通りから覗くとこんな様子。iFIさんのPOPとRetroがとっても映えますね>

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<試聴スペースでくつろいで頂けるよう、椅子とテーブルをご用意してみました>

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<南欧っぽい雰囲気、ちょっと意識してみました(笑)>


▽今回展示した機器について

展示しましたのは、オリオスペックが自信を持っておススメ出来る逸品。
オーディオマニア以外の皆さまにも、特に受け入れて頂けそうなモデルをチョイス。

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<お馴染み、naimaudio mu-so 〜 UK brand>

ワンボディなnaimaudio mu-soが朗々と奏でるハイレゾサウンド、今回も好評でした。
造りがよくて、インテリアに馴染むモダンなスタイルも評価が高かったです。
シンプルに徹し切れたものって、そうそう見当たるものじゃない。しかも完成度が高いと来ればなおさら。
ワインを飲み、そして皆で会話を楽しみながら音楽を聴こうとすると、このmu-soのサウンドは絶品ですね。
『Hi-Fiである事をこれ見よがしにアピールなどしていないサウンド』の魅力と奥ゆかしさ、ここでも実感した次第。

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<今回の注目株! iFI audio Retro System “STEREO50”  〜 UK brand>

今回特にご来場のお客様の目を惹いたのは、iFI audio Retro System
60年代スタイルの個性的でノスタルジックなデザインに吸い寄せられてきます。
ハイレゾに対応していて、USB端子やBluetoothを装備した今どきのオーディオなのに、
真空管を使ったアンプである事やアナログレコードプレーヤーまで接続できる事実、一様に驚かれます。
ハイファイ志向なそのサウンドクオリティには、長年のオーディオファンの方も納得されておられました。

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<PC/DACとモニター、そしてスピーカーがこんな小さなスペースに収まってしまう、DigiFi X-24-PS  〜 JAPAN made>

ほんのちょっとしたスペースで、PCオーディオ・スピーカーのフルシステムが完結しちゃう DigiFi X-24-PS
ワンボディにまとまるPC+DACのあまりの小ささ、皆さん信じられないようでした。
ご家族で来場された方に大変評判がよく、リビングルームにさりげなく置いてみたいとの事。
最近はヘッドフォンがブームですから音楽を楽しむ行為はよりパーソナル化しているのですが、
スピーカーサウンドを通じ、ご家族皆さんで音楽を聴く時間を共有して頂きたいです。

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今回展示した製品のカタログとオリオスペックのショップカードにつきましては、当該コラボイベント終了後も
夏秋武蔵屋酒舗さん&フェリアさんの店舗内に置かせてもらっています。気になっているお客様は是非。
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▽ご来場頂きましたお客様や試聴コーナーの様子

地元もお客様をはじめ、オリオスペックイベントの常連様にも遠方から足を運んで頂きました。
今回を振り返りますとオーディオマニアというよりも一般のお客様のご来場が多くて、
ハイレゾ云々に限らず、生活環境に溶け込むオーディオシステムや音楽の話で盛り上がった次第。
秋葉原より出張してきた私たちも、とても楽しい時間となりました。

ハイレゾサウンドを聴いた経験の無い音楽好きなご家族連れの方にもご来場頂けたのは、大変印象に残っています。
違い、感じとることが出来たそうですよ。よかった(笑)

皆様、ご来場頂きまして誠にありがとうございました。

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<S壱号、お客様へmu-soをご案内の図>

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<ハイレゾオーディオの雑誌やパンフレットにも熱心に目を通してくださるお客様>

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<通りのテラス席からも、ワインを楽しみながらハイレゾサウンドのシャワーを浴びて頂けます>


▽夏秋武蔵屋酒舗さんのイタリアワイン試飲会の様子

夏秋武蔵屋酒舗さんが主催されるイタリアワイン試飲会はこの対面。
お店の名前はフェリアさん。こちらも多くのお客様にご来場頂いております。

夏秋武蔵屋酒舗さん&フェリアさんのマダムである茂木夏子さんは、コラボイベントを評してこうお話されました。
『今回ご用意しているワインは、味覚・嗅覚・視覚・触覚を使って素晴らしさを楽しむもの』
『オーディオを通した魅力的な音楽は、聴覚を満たしてくれるもの』
『このコラボレーションはね、人の五感をもって楽しんで頂けるイベントなんですよ』

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<ゆったりとワインをあれこれテイスティング。感覚も冴えわたりますね>

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<今回も美味しかったですよ。武蔵屋さん一押しのアマローネは特に絶品でした>

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<今回は試飲会会場にもmu-soを展示させて頂きました。馴染んでますよね>


▽まとめ

以前のブログ記事にも書いているのですが、
ワインを味わいつつグラスの中のブドウの個性を感じとろうとする行為は、
音楽を聴きながら、楽曲に込められたアーチストの想いをもっと感じとりたいとするのに似てる気がします。
合わせるお食事とかワインの温度、そしてワイングラスの種類のように、
ハイレゾ音源やステキなオーディオ機器によって個性を感じ取るための手助けが出来ればいいな、と思うのです。
それによって、皆さまの日常そして心がほんの少しだけでも豊かになれますように。


末筆ではございますが。

JR市川駅近郊にお住まいの地元の皆さま、遠方より足を運んで頂きました皆さま、
オーディオファンの皆さま、心よりワインを愛する皆さま・・・、
当日ご来場頂きましたすべてのお客様に御礼申し上げます。
また、今回ご協力頂きました夏秋武蔵屋酒舗様&フェリア様、
イタリアワインのインポーター・ディビーノ様、
差し入れを頂きました、市川駅前のBar・SODAPOP様にも心より御礼を申し上げます。

naimaudioとiFI audioの輸入元様による当該コラボイベントへのご支援につきましても感謝致します。

以上、御礼とご報告でございます。
 
【皆様からのコメント】3名の女性アーティストによるアコースティックライブ&懇親会を終えて その3
【ご協力頂きました皆様からのコメントをご紹介させて頂きます】

その場には演者さん、録音エンジニア、再生システム構築と3つの要素、想いがあります。
今回お世話になった皆さんにそれぞれの思いと感想をお伺いしました。


まずはレコーディングをご担当頂きましたお二方より。

<PCM-D100実験録音ご担当 S社Hさん>

会社で録音を聴きなおしてみましたが、あの録音ポジションでは基本直接音がメインで
ライブハウスの残響はあまり無い音になっています。(部屋の癖等はありますが)
本当はもうちょっと響きを入れたかったのですが、スピーカー再生だと厳しかったので断念しましたが、、、

スピーカーでの再生が有るので部屋の響きは極力入れないように
なるべく音源に対してオンマイク(直接音のみ)で録るようなポジションにしました。

なぜ部屋の響き(間接音)を入れないかというと、
スピーカー再生時に録音に響きが入っていると2回分の間接音を聴くことになり
音が濁ったり定位が分らなくなったりするからです。

実際に6重奏の時、会場の響きとスピーカーからの音がちょっと大きめだったので
生演奏とのバランスが今一つと感じましたが、何とか6人で演奏しているように聴こえたんじゃないかと思います。


<レコーディングエンジニア 同人音楽サークル「ヴェクセルドミナンテ」を運営されているserierilさん>

今回、バックアップ録音を担当したserierilです。
私の方では、PCMとDSDを比較するためにどちらも同時に録音していました。
機材は以下の通りです。
------------------------------
Mic:Schoeps MSTC64U,Earthworks QTC40pair,同 TC30pair
MicPreamp:Millennia HV-3D-8
Mixer:Mackie 1402-VLZ3
PCM ADC:Lynx Aurora8
DSD ADC:TASCAM DV-RA1000HD
DSDはミキサーでStereoにし、PCMは各マイクの音を個別に録音しPC上でStereoにしました。
-------------------------------

s-recブース02.jpg
※これ、serierilさんの私物機材一式

SECOND STEP様での録音は初めてということもあり、あまり奇をてらうことなくオーソドックスな録音を心がけました。
つまり、オフマイクで演奏全体を雰囲気を含めて捉え、オンマイクでその補助をするという形です。
実験録音の兼ね合いもありピアノの音量を落とさざるを得なかったため、ピアノにオンマイクを立てました。
今回の録音では名機Schoeps MSTC64Uを使うことができ、
まさしくPCMとDSDの聴き比べにふさわしい機種構成になったのではないかと思います。
聴き比べてみますと、世間一般に言われている通り、DSDはナチュラル、PCMはガッツのある音に聴こえます。
PCMには編集が出来ると言うメリットがありますが、このニュアンスの違いは後々の編集ではカバーし切れない違いです。

今回のイベントは、生の音と録音したDSD/PCMの音を聴き比べられるという、とても貴重な機会になったと思います。
DSDとPCMの音の違いから、どちらの音が自分のオーディオシステムに合っているか、
どちらの音が生演奏の録音にふさわしいかまで、思いをはせるのも一つの楽しみ方かと思います。


続きましては、今回演奏を楽しませて頂きましたアーチストの御三方。
s-御三方01.jpg

<ヴァイオリン 皆川真里奈さん>

まずは、オリオスペックさん、1周年おめでとうございます。
今年もまたお声がけいただき、大変光栄でした。

オリオスペックさんの企画では私達がいつもやっている「演奏を聴く」コンサートとはまた少し違う
「音を聴く」コンサートということを念頭に置き、しっかりとしたクラシックからポップス、ボカロカバーまで異なるジャンル、
そして編成も、フルート&ピアノ、ヴァイオリン&ピアノ、そして3人でのトリオと聴き比べができるように選曲構成しました。

録音実験ですが、昨年のリニューアルオープンでは独奏を重ねる内容でしたので、
今回は大編成の厚みをぜひ体験していただければと思い、
3人同時録音を重ねて6重奏にという試みをご提案させていただきました。

この録音にはいくつかポイントがあり、まず、1回の録音の中に、それぞれ音量や指向性の違う3種類の楽器と、
マイクとの位置関係による音量バランスをとる作業が必要という点。
そしてもう一つ、2回目に重ねる際はそれプラス、スピーカーからの音のリアルさを考え、
それも踏まえて1回目の録音の立ち位置を決める必要があるのと、
スピーカーから出る音量と生演奏とのバランスをいかに取るか、という点です。

結果、この実験で多重録音したものを聴くと、奏者でもどれが1回目の演奏でどれが2回目の演奏なのか、
区別がつかないほどのまるで「6人」同時録音のようなリアルな録音音源となりました。

レコーディングスタジオでの仕事の記憶を呼び起こしながらの取り組みでしたが演奏家としても大変面白い内容で、
貴重な機会をくださったオリオスペックさんには心から感謝しております。

当日MCでも話ましたが、今度リアルなレコーディングスタジオでのレコーディング見学会もぜひ企画してみてください。
ありがとうございました。

<ピアノ 野口紗依子さん>

フォーマットの違いでここまで違う音が聴こえてくるのは驚きで非常に面白かったです。
二重録音の際も、一度目に弾いた音なのか今弾いている音なのか、楽しい困惑を経験させていただきました(笑)
普段は生演奏を主にしておりますが、良き音で後々形に残しそれをまた誰かに聴いていただくということの大切さ
貴重さを改めて感じました。自分の普段使用しているスピーカーやヘッドホンなども見直してみます。
そして、アットホームな空間でのコンサートとても楽しく演奏させていただきました。
ありがとうございました!

<フルート 小澤恭子さん>

スピーカーから聴こえる音が生音と間違えるほどだったので、
重ねて演奏する際に自分の音が2つ聴こえるの不思議な感覚でした。
とても貴重な体験をさせてもらい有難いです。
録音機材などに興味がでました!


今回イベント趣旨にご賛同頂き、ライブ会場としてご協力頂きました、淡路町「ライブ&バー セカンドステップ」

<セカンドステップ 高野さん>

この度、オリオスペック様におかれましては、イベントスペース開設1周年おめでとうございました。
今回、DSD録再実験という試みの中で、実際に録音されたものと生音の間には、
いろいろな価値観が介在しているかということを実感できるイベントだったと思います。
このようなイベントは、通例、大型無響室や音場再現性に優れた録音スタジオなどで行われる事がほとんどですが、
実際に音楽が常に演奏される場で行われた事に大きな意味を感じています。
また、その場所として当店が選ばれた事は嬉しく思います。

当日は日頃よりオーディオを楽しむ多くの方にご来場頂き、
まずは「生の音」に触れる感覚を多いに楽しんで頂けたのではないかと感じております。
この演奏家による「生の音」が生まれる過程というのは、どこかで作曲した人がいて、
その意図を酌んで「演奏する人」というフィルター(=価値観)を通したものであります。
それは録音物においても、「その場に存在する音を録音した人」の価値観、
そして、「その音を再生しようとした人」の価値観を通したものであるという、
半ば共通する部分があるという事を改めて思い返して頂き、
その上で、その価値観をそれぞれで大切にしようと思って頂けたら幸いと思います。

今回のイベントの準備にあっては、空気感をよりリアルに記録できるというDSD録音の特性上、
エアコンのノイズや、当店の構造上の元々持つ特性、あるいは、「ライブ演奏用」に設置された設備の仕様特性など、
普段はあまり深く意識しない部分について、再認識する事ができました。
なかなかこういったイベントのご要望を頂く機会は少なく、こういった「音」に焦点をあてたイベントを行えるのは、
静音PCとオーディオPCに焦点をあてたオリオスペック様ならではと感じます。
ぜひ、またご用命頂けますと幸いに思います。
この度はありがとうございました。


▽その他ご支援頂いた皆様のご紹介

<秋葉原 味の萬楽 古室真由実さん>

会場受付並びに懇親会でのカウンター業務でご支援頂きました。
慌ただしい中、円滑な進行を実現してくださいました事、御礼申し上げます。
古室さんとセカンドステップ滝田さん、そしてオリオスペックで出来る三角形の真ん中には、
なんと皆川さんがどどーんと存在しておるのです。不思議な事に、実は皆浅からぬご縁な関係だったのです(笑)

<今井商事株式会社様>

ベルリンフィルハーモニーホールの常設マイクロフォンとして採用されるブランド、名門SCHOEPS。
ORTFステレオ録音用マイクロフォン SCHOEPS MSTC-64Ugについて機材のご協力を頂きました。
こちらも御礼申し上げます。

以上となります。

 
【概要のご報告】3名の女性アーティストによるアコースティックライブ&懇親会を終えて その2
▽開催までの経緯

今回の一周年イベントは、「第一回のゲストとしてお招きした皆川真里奈さんを再び」 と決めていたのです。
でも、それだけでは面白みや刺激、そして緊張なんてものも生まれることはありませんので、
いつも会場として利用しているオリオスペックのイベントスペースを飛び出す事にしました。
あまりにも突飛なアイデアではありましたが、これが強力且つ強烈な “S壱号のヒラメキ” でございます。
いや、なんかしっくり来ないな。“突然の思いつき” ですかね?(笑)

白羽の矢を立てましたのは、神田淡路町にババーンと居を構える 「ライブ&バー セカンドステップ」さん。
ここは普段、皆川さんがご自身のライブをなさっているお馴染みのライブハウスなのです。
様々御相談を差し上げました結果、セカンドステップの滝田さん、高野さんより快諾頂き、実現できる運びとなりました。

もちろん、生演奏のレコーディングありきで企画したイベントです。
「素人録音集団 チーム・オリオスペックじゃ、今回は流石にヤバくね?」という事で、
DSDレコーディングやハイレゾレコーディングの経験が豊富なお二方に協力のお願いを差し上げた次第。
おひとりは、かの同人音楽サークル “ヴェクセルドミナンテ” を運営されているserierilさん。
おふたり目は、これまた “知る人ぞ知る、ハイレゾを含めたデジタルオーディオ界隈でちょっとスゴイ方” S社Hさん。
ご両名にもご快諾頂きまして、「さあ役者は揃った!」のでございます。

さて皆川さんですが、第一回イベントの折、演奏のみならずイベント企画骨子においても多大なるご支援を頂きました。
アーチストとしての視点に加え、プロデューサー的視点をも合わせ持っていらっしゃる彼女のセンスに今回も期待しまして、
野口紗依子さんと小澤恭子さんを加えたヴァイオリン・ピアノ・フルートのユニットをご推薦頂いたのです。
PCM-D100でのDSD64を使った「オーバーダビング実験で一人バイオリン三重奏を作ってみた」と言う “とんでもない企画” も、
実は彼女が深く関わっています。まずは例により “S壱号の突然の思いつき” からネタフリが始まりまして、
何故かそれに共鳴する皆川さんによってバンバンアイデアが出されたのであります。火に油を注いだ様なもんですね、ハイ。
そんな強烈カウンターに、「マジか、それはオモシロイ!」とあっさり乗れちゃうS壱号も相当ぶっ飛んでると思うのですが(笑)
第一回のこの狂気なる実験は大変な好評を博しまして、あれから一年経った今回も同様の事をやってみたかったのです。
音がどうのとか、それそのものに意味があるかないかなんてどうでもよくってね。だって、面白かったんですもの。

結局のところ、オリオスペックのイベントは 『ノリと勢い』 ってとこなんでしょうねえ。

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< S壱号と共鳴し、予想だにしない方向の企画を毎度ぶち上げる “影のプロデューサー” >

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< ノリと勢いをもって猛烈に準備中の図。記憶だと本番前日深夜 (ToT) >


▽当日の概要とそこで私どもがお伝えしたかった事

イベントは、以下のプログラムで進行しました。

<第一部・前半戦>

【ライブ演奏 & アーカイブ試聴用楽曲・配布用楽曲の同時収録】
  ・皆川真里奈さん・野口紗依子さん・小澤恭子さんによるヴァイオリン・ピアノ・フルートの生ライブを
   演奏と同時に、DSD64とPCM24bit/88.2kHzでネイティブ録音してみました。
  ・ここでのアーカイブデータは、後半戦で未編集のまま試聴致します。録って出しです。
   -----------------------------
   『演奏楽曲』
      ・愛の挨拶(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
   -----------------------------
  『収録に利用した機材』
      ・レコーディングエンジニアのserierilさん私物機材一式  (詳細はこちらの記事のコメントをご参照)
      ・かのSCHOEPS ORTFステレオマイクフォン MSTC-64Ug も使ってます! (ご協力:今井商事様)
  『収録したフォーマットとサンプルレート』
      ・DSD64 (2.8MHz)
    ・PCM24bit/88.2kHz
      ・レコーディングの担当は、“ヴェクセルドミナンテ” serierilさん
 -----------------------------
  『このプログラムでのテーマ / やってみたかった事』
  ・ DSDとPCMのサウンド基調について比較するため、それぞれをネイティブでガチ録音してみよう!
  ・「ただシンプルにライブを収録するという手段をとると、どんな結果がもたらされるのか?」という点をご体験頂こう!
          ⇒ 空調ノイズも含め、ライブ会場のありのままをガッツリ収録してしまおう!
          ⇒ みんな、そういう環境の音を意識して聴いた事ないじゃん? じゃ、経験してみましょうよ。
  ・編集不能なDSDレコーディングによって掛かる、演者や録音側への緊張や負担を現場で見て頂こう!
          ⇒ アナログレコードでいうと、ダイレクトカッティングという事ですね。 

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< 会場後方に設置したレコーディングブース。実はめちゃくちゃ本気モード >

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< 今回最大の隠し玉、SCHOEPS ORTFステレオマイクフォン MSTC-64Ug >


【多重録音実験】 〜 超原始的オーバーダビングで六重奏を完成させてみた
  ・オーディオ的には掟破りというべきか。無理難題をやっちゃうっていいますか(笑)
  ・“生音と再生音” という、「そこんとこ解かってるよね?」的暗黙の了解をあえて無視してみる確信犯的試み。
  ・そこに意味があるかないか?ではなく、ただただオモシロイから再びやってみたかった実験なのです。
   -----------------------------
   『演奏楽曲』
      ・リベルタンゴ(ヴァイオリン・フルート・ピアノでの六重奏)
  -----------------------------  
 『実現手法』
   ・リベルタンゴを3楽器使いつつ、それぞれ別パートで生演奏 ⇒ 一回目の録音
   ・一回目の収録音源をオーディオで再生しながら、さらに別パートを生演奏 ⇒ 二回目の録音(原始的オーバーダビング)
   ・二回目の収録音源を試聴し、六重奏がちゃんと成立しているかどうかを皆さんで試し聴き
  -----------------------------
 『収録に利用した機材とフォーマット』
   ・SONY PCM-D100(DSD64で収録・S社Hさんレコーディング担当)
   ・本当に困ってしまった本体(マイク)の設置位置は、S社Hさんの執念によって確定
  -----------------------------
 『このプログラムでのテーマ / やってみたかった事』
   ・成功か?失敗か?、音がイイかワルイか?より、制作過程のドタバタも含めて “オトナのお遊び” をお楽しみ頂く
   ・ダビングによる六重奏を実現するために、アーチストさんがどの様な工夫をしてきたのか?
    ⇒ 楽器それぞれの指向特性や音量を勘案し再生時の状態を想像。これを演奏時の立ち位置によって調整する
    ⇒ ピアノの場合、一人で弾く曲を二分割にし、二回にわけて演奏。合わせる事で一人連弾を成立させる
    ⇒ 音量で負けてしまうフルートは、強い音などを多用し他の楽器の音に埋もれないよう工夫
   ・「DSDはそのままでは編集出来ない」という点をアピール
   ・一発録音によってかかる、演者の緊張や負担、録音側の負荷をリアルタイムでお客さんに見てもらう
        ⇒ DSDフォーマットのままでは事実上編集不能なので、PCMの様な別録り・編集という手が使えない
        ⇒ PCM-D100の設置位置など、実はリハーサルから相当に苦労してます
   ・演者さんが演奏中に感じた、スピーカーからのDSD64サウンドについて印象を伺う
        ⇒ 「二回目の演奏中、一瞬、今自分が演奏している音が分からなくなりそうで困惑してしまう」
        ⇒ 「自分の音がふたつあるように聴こえる不思議な感覚」


< 画面右手のマイクスタンド上方にPCM-D100。この位置決めが大変でした。H氏苦心の作。>
※御三方の立ち位置にも、実は計算と工夫があるのです
※本ページ末の会場全景の画像もご参照ください。ステージとPCM-D100の位置関係が把握できます


<第一部・後半戦>

【収録音源聴き比べ】
   ・第一部前半戦ライブの収録音源を同じステージ上に設置したオーディオシステムから再生
   ・プロ用録音機材でネイティブ録音された音源を基準としての  “DSD64 vs ハイレゾPCM24bit/88.2kHz”
   ・未編集の取って出しを試聴。特にDSDフォーマットは、そのままでは全然編集できないという点がポイント。
   -----------------------------
   『再生楽曲』
      ・愛の挨拶(第一部・前半戦収録音源)
      ・フォーマット/サンプルレート: DSD64 及び PCM24bit/88.2kHz (serierilさんレコーディング担当)
   ----------------------
  『再生機材一式』
      ・PC / RENDERER: Oliospec Ritomo2 DSD Play (Windows8.1) / Sygnalyst HQPLAYER3
      ・DAC / PREAMP: Mytek Digital Manhattan DAC/PREAMP
      ・POWERAMP: ATOLL AM100se (セカンドステップ様常設機材)
      ・SPEAKER: DYNAUDIO FOCUS360(セカンドステップ様常設機材)
   ----------------------
 『このプログラムでのテーマ / やってみたかった事』
     ・楽しんだばかりの生演奏とアーカイブをその場のステージで比較試聴してみる
     ・フォーマットに合わせてネイティブ録音されたアーカイブを元に、DSDとPCMにおける音質基調の差違をご体験頂く
     ・未編集アーカイブである事を逆手に、演奏中に存在していた空調ノイズや音楽以外の音についても体感して頂く
     ・レコーディングやアーカイブについて、少しだけ興味・関心を持って頂く事を狙いとする
     ・レコーディングエンジニア側の狙いや演奏したアーチスト側がそのアーカイブを聴いた印象・感想もご披露する

s-Serielさん.jpg 
< レコーディングについて解説してくださる、“ヴェクセルドミナンテ” serieril氏 >


< アーチストの視点から感想を語ってくださった御三方 >

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< 再生用機材その1: PC / DAC&PREAMP / SPEAKER (準備中の図) >

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< 再生用機材その2: POWERAMP >


【通常ライブ演奏】
  皆川真里奈さん・野口紗依子さん・小澤恭子さんによるヴァイオリン・ピアノ・フルートの生ライブを思い切り
   -----------------------------
   『演奏楽曲』
      ・千本桜(ヴァイオリン・ピアノ)
      ・サマー(フルート・ピアノ)
      ・フィガロの結婚序曲(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
      ・私のお父さん(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
      ・風笛(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
      ・ニューシネマパラダイス(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
      ・この素晴らしき世界(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
      ・チャルダッシュ(ヴァイオリン・フルート・ピアノ)
  ----------------------
 『このプログラムでのテーマ / やってみたかった事』
    ・理屈抜きで、御三方の生演奏を目いっぱいお楽しみいただく
    ・そこにS壱号もS弐号も要らない(笑)


< 御三方、愛あふれる演奏をなさるの図 >


<第二部>

 【懇親会】
   ・ご参加の皆さんでフリートーク
   ・オリオスペックイベントお馴染み、S壱号S弐号とお客さんによる漫談タイム
   ・一緒に飲んで食べて。立場が違えど、音楽やオーディオが好きな者同士で仲良くなって頂きたく。
 
  【体験セミナー: 真里奈先生による、みんなでヴァイオリニストが聴いているヴァイオリンの音を聴いてみよう】
   ・真里奈先生のヴァイオリンを構えさせてもらい、弓を持った先生に試し弾きしてもらう
   ・耳からの弦の響きだけでなく、骨伝導を通じてボディの共鳴も身体で感じ取ってみる
       ⇒ これは貴重な体験! なんと、音が重いのですよ! 押し出し感というか、太いんです! イメージ変わります。
       ⇒ ヴァイオリニストさんとリスナーが聴いているヴァイオリンのサウンドって違うんですねー。
       ⇒ これ、S社Hさんの要望に応える形で急遽開催されました。20人以上のお客さんが生徒になって体験してます。


< 真里奈先生より教えを受ける、オリオスペック・ストレージ担当M氏 >


▽当日ご来場頂きましたお客様について

一年間、兎に角も諦めずにハイレゾで突っ走ってきたわけでございます。
「お客さんがたった一名」なんて深夜イベント実際やっちまいましたが、正直めげることもありませんでした。
そんな無鉄砲な私どもを見かねたのか、少なからずいらっしゃる熱心な常連イベント参加者様方にも支えて頂き、
とても恵まれつつ、そして大変ウレシイこの日へと繋がった様に思うのです。

また、ハイレゾへの興味が高かったり、オーディオをご趣味になさるユーザーサイドの皆様方だけではなく、
メーカーエンジニアさんや販社の方、オーディオ評論家さん、オーディオメディアの方という業界サイドの皆様にも
足を運んで頂けるようになりました。さらに嬉しいことには、音楽制作を本業となさるプロフェッショナルの方や
アーチストさんにも関心を寄せて頂くようになったのが、ここ数か月の出来事といったところです。

そんな多様なバックボーンを持つ皆様が大勢この場に会してくださいました事実、
イベントの企画に携わる一スタッフとしまして、これほどの喜びに変わるものはございません。
この場をお借りしまして、ご来場頂きましたすべての皆さまに篤くお礼申し上げます。
これからも一緒に、音楽でパーッと盛り上がりましょうね!

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< ご来場頂きましたお客様とアーチストの御三方、そして “ヒラメキの人(笑)” S壱号 >


以上、簡単ですが概要のご報告となります。

(記: S弐号)


イベント関係者の声(その3)へ続く
【御礼とご挨拶】3名の女性アーティストによるアコースティックライブ&懇親会を終えて その1
<一年間支え続けてくださいました沢山のお客様へ感謝を込めまして>

皆さん、こんにちは。オーディオ担当S壱号です。
暑さも和らぎ秋の気配が感じられる季節になって来ましたね。

イベント終了後やり終えた感で気が抜けたことと、何かとバタバタが続き、イベントの御礼記事書かなきゃ
と思いつつ・・・気付けばもう9月半ばに入ってしまいました。すいませんです。

オリオスペックイベントスペース一周年記念イベントにご参加頂きましたお客様、誠にありがとうございました。
今回はオリオスペック初の会場をお借りしての有料イベントでした。本当にお客様いらして頂けるだろうかと
ドキドキでしたがお陰様で満席となり正直ホッと致しました。
あらためまして心より御礼申し上げます。

思えば1年前、店舗内にイベントスペースを作ろうと思い立った時すぐに最初のイベントは演者さん
(少し前に知り合った皆川さんなんですが)を呼んでミニコンサートやりたい!と。
そしてたまたま参加したイベントでSONY PCM-D100を設計されたSONYの橋本さんとの運命的な
出会いがあり、そしてファーストイベント! すぐに演奏をD100で録音してみたいと頭に浮かびました。
アイデアがどんどん膨らんで、ヴァイオリンだけじゃちょっと寂しいからピアノも欲しいなと・・・
そうだ!先にピアノ演奏をDSDで録音させてもらってそれをスピーカーから再生してそれに合わせて
演奏してもらったら面白いんじゃない!?PCオーディオと生演奏の融合だあ〜っ!なんて。
それを皆川さんに相談したら「あー面白そうですね、やりましょう!あっそうだ!ヴァイオリンで
三重奏なんてのも面白いかも!出来ますよって!」いやいや、もうテンション上がる上がる・・・(笑)

よーし!やるぞ〜って一人で盛り上がって、早速それをS弐号に話したら最初はキョトンとして
「はあ、なんか面白そうな気も・・・」ん?あれ?俺ちょっと何か変なこと言ってる?
今までオーディオやってきたS弐号からすれば、「スピーカーの音と生音を合わせる!?え〜っ?」
って思ったようです。当然と言えば当然ですよね(笑)

そんなS壱号の「思いつき」から始まったオーディオイベントも数えてみたら何だかんだで
約20回開催させて頂いておりました。S弐号と一緒に最初の一年間は兎に角色々やってみてお客様が
何を望んで、どういうイベントが求められているのかを認識するためにもどんどんやろう!
と、ひらすら突っ走って参りました。
内容も毎回二人で話し合ってオーディオ店さんのイベントとは違った、PCショップならではの
うちでしか出来ないようなことをやろうと、アイデアを出し合って考えて参りました。
USB DAC数台並べて同じ条件でガチ比較試聴したり、真夜中にDSDライブストリーミング試聴会やったり
メーカーの異なるHDDを並べて比較試聴したり・・・
音楽にもこだわって来ました。80年代アイドル縛りだったり、松田聖子 vs 中森明菜 とか(笑)
アナログレコードアーカイブなんてこともやりましたね。
それでも中には中途半端に終わってしまい、反省しきりなイベントがあったことも事実です。
お陰様でこの一年でお客様からのご意見やご指摘なども頂き、たくさん勉強させて頂きました。

一周年を迎え、今年は今までの経験を踏まえ、また一歩前へ踏み出す年にしたいと思います。
私、思うんです。音楽を聴くって簡単に言うけど、そこにはたくさんの人の思いが重なり合って
初めて実現出来ているんだど。
曲を作る人、詩を書く人がいて、その意を酌んで演奏する人、歌う人がいますよね。
そしてそれを録音する人、編集する人、結果出来上がったCDや音源を再生し聴く人が居る。
でも実際はみんなそういうことわかってるようでわかってなくて、特に再生して聴く立場の人は
それまで携わって来た人たちの想いとか考えとか全く知らないままだったりします。
そういうことを知って聴くと同じ音楽がさらに豊かになって、もっともっとその曲が好きになると
思うんです。だから、何かそのことを皆で共有できるようなイベント出来ないかなと考え今回の
イベント開催を企画しました。
さすがに作曲者までは及び出来ませんが、生演奏を録音(アーカイブ)してそれをオーディオシステムで
聴くという一連の流れをその場でリアルに再現する。
演奏者も今回は3名お呼びして、それをいつものSONY PCM-D100に加えて録音機材も導入、普段録音に
携わっている方に録音をお願いし、それをPCオーディオシステムで聴くという内容。
そりゃさすがにうちでやるのは無理。ということで今回は初の試み!ご近所のライブバーを貸し切っての
ライブイベントやっちゃおうってことに。場所は「Live&Bar セカンドステップ」。
偶然にも一周年記念イベントにピッタリの店名じゃあないですか!(笑)

今までを振り返って書いていたら何だか長くなってしまいました。すいません・・・
最後になりましたが、今回のイベントも大変多くの方々のご協力があってこそ実現したものでございます。

まずは今回も快く出演をお受け頂いたヴァイオリンの皆川真里奈さん。
急なお願いにも関わらずご参加頂いたフルートの小澤 恭子さん、ピアノの 野口 紗依子さん。
私物の機材まで持ち込んで今回の録音を全面的にバックアップして下さったserieril氏。
当日の急な無茶ブリにもかかわらず、実験録音にご協力頂いたS社H様。
本当に急にお願いしたのに当日の受付やカウンターのお手伝いを頂いた味の萬楽の古室真由実さん。頭が上がりません。
面倒なセッティングのお願いも快くお引き受け頂いたセカンドステップの高野さん。
今回の会場をご提供頂き全面的にご協力頂いたセカンドステップオーナーの滝田さん。
オリオスペックストレージ担当M。当日何気に色々お願いしちゃって。けどほんと助かりました。
そしていつもS壱号の思いつきを全力でサポートしてくれる最高のパートナーS弐号こと佐藤さん。

今回のイベントが成功したのは皆様のお力添えがあったればこそです。
この場をお借りして心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。

イベント概要ご報告(その2)へ続く
【御礼】ASUSTOR NASでミュージックプレーヤー構築実習&アニソン試聴会を終えて
皆さんこんにちは。
すっかり秋らしくなって来ましたね。

「ASUSTOR NASでミュージックプレーヤー構築実習&アニソン試聴会」お陰様で大盛況のうちに
終えることが出来ました。ご参加頂きましたお客様をはじめ、ご協力頂きましたユニスター越沼様
オーディオライターの野村ケンジ様にあらためて御礼申し上げる次第でございます。

今回のイベントは前回一度開催させて頂いた「ASUSTOR NASへUSB DACつないでハイレゾを試聴しよう」
というイベントを踏まえて、さらに具体的に構築、設定方法から実際に音が出るまでの手順を実演を交えて
お見せするという、オリオスペックでも初めてのスタイルのイベントでした。
こういうイベント有りそうでなかったと思うんですよ。正直お客様集まってくれるのかと少し不安でしたが
ふたを開けてみれば大入り満員状態!嬉しい限りでございます。
実演中もお客様が皆様真剣に聞いていらっしゃるのがとても印象的でした。
お陰様で大入り満員の絵

オーディオライターの野村ケンジ様をお招きし、何と野村さん自らNASの組み立てから設定までを
ユニスターの越沼さんの指導のもと実演。
それも今回使うNASとHDDは野村さんが購入した私物で行うという何とも申し訳ないような・・・
まあ自宅で何もわからず一人でやるよりいいでしょ!?ってことでお許しを(汗)


まずは箱から本体を出す所から。開梱式でございます。


越沼さんの指導の下、お二人の掛け合いが絶妙で本当に初対面なの?と思うほど息がぴったりで
途中若干冷や汗をかく場面もありましたが、再生して音が出るとことまで無事完了しました。

完成後は野村さんと言えばアニソン!ということで野村さん選曲のアニソン試聴会へと。

今回インプレス様が取材に来て下さり、詳細なレポートが掲載されております。
という事で、すいません当該イベントの詳細につきましては、以下のAKIBA PC Hotline!さんをご覧ください。
とても詳しく解説頂いております。有り難いことでございます。
いやいや、決して手抜なんかじゃございませんですよー(汗)ほんとに良くまとまってまして・・・はい。
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20150914_720926.html

ASUSTOR NAS+USB DACとの接続試聴環境は常時ご用意致しております。
ご希望のお客様はご来店の上お気軽にお申し付け下さい。

接続動作確認USB DACの情報も順次ご案内させて頂く予定でございます。
 
【御礼】DSD256再生を可能にした ASUSTOR NASへUSB DACつないでハイレゾを試聴しようイベント
【はじめに】

この度は、ご来場頂きまして誠にありがとうございました。
熱心なベテランオーディオファンの皆さま方にご参加頂き、イベント自体が賑やかとなりました事、嬉しく存じます。
今後とも変わらずご贔屓のほどお願い申し上げます。

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【イベントの概要】

今回は、弊社のPCオーディオ担当S壱号の企画を元に、ASUSTOR NASの代理店ユニスター越沼様、
並びに音元出版 Netaudio誌編集長 浅田様のご協力を得、開催まで漕ぎつける事ができました。
また、当該機やNASを利用したネットワークオーディオ全般の事情に知見を持たれる、
評論家の土方様に本編における解説をお願いしております。
関係の皆さまにおかれましては、本イベントに際し多大なるご尽力を頂戴し、心より感謝致します。

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今回試聴機は、以下の製品をご用意致しました。
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▽ASUSTOR ハイレゾ・DSDオーディオ対応 NAS
 ・ASUSTOR AS5002T ⇒ USBDAC直接接続対応 / SPDIF(TOS) Output搭載 / DoP StandardによるDSD256再生対応
 ・ASUSTOR AS202TE ⇒ USBDAC直接接続対応 / DoP StandardによるDSD256再生対応
▽iFI AUDIO USBDAC
 ・iFI Audio Micro iDSD ⇒ DoP StandardによるDSD256再生対応
----------------------------

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【ASUSTORというブランド】

NASのスペシャリストブランドとして2011年に設立された会社だそう。特筆すべき点は以下の二点です。
1.マザーボード、OEM向PCや自社ブランドPCで著名なASUS系のNAS専業メーカー
2.QNAPでNASの開発を行っていたエンジニアを中心に立ち上げられた背景を持つ

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<ASUSTORとNASについて語る、代理店ユニスター越沼さん>


【そもそもNASとはなんなのか?】

「NAS」

PCオーディオ・ネットワークオーディオに関わる機器の中で、これほどあやふやに解釈されているものはないかもしれません。

Network Attached Storageを略してNASとなるのですが、
PC用語としての元来の解釈は、ネットワーク(TCP/IP)経由で接続できるファイルサーバとなります。
「共有ファイルサーバの中にファイルを保存しておきました」とか
「このファイルサーバのフォルダの中身を見るにはアクセス権が必要です」とか
会社でよく会話されるアレだと思って頂けますと、まあ概ね間違いありません。
サーバ・クライアントシステムにおける代表的な利用例のひとつです。

このNAS、ファイルを格納する目的のマシンなので
保存領域となるストレージ(HDD/SSD)のトータル容量が、クライアントにあたるPCと比較して桁違いに大きいのです。
またマシンという部分がミソで、NAS自体がCPUやOSを持ち自律動作するサーバなわけですから、
自律的に動作できない単なる容量追加目的のUSB接続外部HDDともその構造が異なります。
そして、NASの場合は多数のクライアントPCからアクセスして内部に格納したデータを共有利用出来ますので、
直接接続したPCのみを利用対象にした増設用USBハードディスクとは負わされる使命が異なります。

踏まえ、NASは持ちうる機能や特性から元々大変高価なサーバだったのですが、
近年の単体HDD容量単価の下落などによるダウンサイジング効果もあって、小型化・低価格化が進みました。
この流れに乗って、SOHOをはじめ一般家庭においても利用されるようになります。

ダウンサイジングの流れの中、NASは機能において大きく変化を見せます。
ただ単なるファイルの格納スペースを超越し、動画が閲覧出来るソフトウェアや機能を有したPCそしてTVに対して、
NASに格納された動画ファイルをストリーミング配信出来る様なマルチメディア機能すら持つようになりました。
当たらずとも遠からずで言いますと、家庭で利用するLAN内において
YouTubeのような動画配信プラットフォームを持つ事が出来るわけです。
動画のストリーミングが出来るという事は、当然音声のみのストリーミングでも可能となります。
NASのそのような機能をハイファイオーディオに利用しようと目論んだのが、皆さんご存知のネットワークプレーヤです。
具体的にいうと、LINNのDSなどが該当します。このスタイルの原型といえるものとして挙げられるのは、
PCオーディオ・ハイレゾという用語が世で囁かれる遥か以前に存在した、Buffaloのネットワークメディアプレーヤでしょうか。
そして、元来のNASは大容量のストレージを持ったマシンですから、
データ容量の大きい動画・画像ファイルやハイレゾのような音声ファイルを多数保存・利用するには適性があると言えます。

なお、上述のマルチメディア機能は、現在のNASにおける機能のほんの一例に過ぎません。
今やNASの持ちうる機能は多岐に渡り、ここで解説するにはとてもしんどいくらいです。


【ASUSTORのNASは、オーディオ視点においてこれまでのNASと何が違っているのか?】

オーディオマニアの皆さんがNASを利用したいとなれば、多機能なNASの機能の内、
サイズの大きなハイレゾファイルを多数格納する事と、音楽再生に関わる追加機能の利用がターゲットになるはずです。
事務系アプリケーションで作成したファイルの格納やクラウド連携などのWAN側とのアクセスをはじめ、
機能追加目的で用意される専用サーバアプリケーションなどは、そもそも考える必要など無いのかもしれません。

ネットワークプレーヤとの組み合わせにおいてハイレゾファイルをストリーミングするスタイルで著名な製品は、
QNAPのNASだと思います。ASUSTORのNASもその機能は持っているのですが独自仕様に寄った機能となり、
この利用方法での使い勝手はより汎用性の高いQNAPに一歩譲ります。

では、ASUSTORの何が強みとなるのか?

これは、ASUSTOR NAS自身のUSBポートにUSBDACを直接接続し、
NAS自体に実装された機能であるハイレゾ・DSDプレーヤーソフトで再生する点にあります。
ここで気が付いた方が多いと思いますが、Buffaloのオーディオ向NAS DELAのUSBDAC接続機能と同じです。
著名なDELAとの違いや強みを挙げるとするならば、以下のようになるでしょう。
------------------------------------------
・導入するためのイニシャルコストが桁違いに安価
・ハイレゾ対応NASのカテゴリではリーズナブルなプライスであるにも拘わらず、サウンドクオリティが良好
 ※iFI Audio製USBDACにて試聴したサウンドより判断
・搭載するHDDやSSDの容量・回転数、またブランド・プロダクトラインをユーザーの好みで選択可能
・ワイド43cmのフルサイズオーディオ機器と比較し外形が大変小さく、省スペースな環境ですらシステム構築が容易
・現在のところ、NASへのUSBDAC直接接続においてDSD256(11.2M)再生を実現出来るものはASUSTORだけ
 ※但し、DoP StandardによるDSD256再生に対応出来ているDACで組み合わせできるのは、現在iFI製のDACのみ
------------------------------------------

前述のQNAPを例とするネットワークプレーヤでNASを利用する形態は、
NAS自身でハイレゾファイルをレンダリングしているわけではなく、QNAPに実装されたTwonky Media Serverにより
音楽ファイルのデータを細切れにして、曲が切れないようLAN経由で順々送信しているスタイルとなります。
このような音楽データのストリーミングは、DLNA規格やUPnPの技術を利用することが一般的です。
またTCP/IPベースによるLAN経由での伝送ですので、データを投げてしまった後、
つまりネットワークプレーヤまでのデータ転送については、原則として自身とは異なる機器にあたる
L2スイッチ等のネットワーク機器を全面的に頼ることとなります。
そして、デジタル音声信号の生成に当たるレンダリングはネットワークプレーヤ側のレンダリング機能を利用します。
つまり、ネットワークオーディオ型で構成されるシステムの場合は、
“レンダラー兼DACであるネットワークプレーヤ” と “音源を格納したストレージ兼ストリーミングサーバ” が
LANを介して間接接続される形となります。

対し、USBDACを自身に直接接続したASUSTORのNASは、それに実装された再生ソフトでレンダリングし、
加えてNAS実装のUSBクラスドライバで制御を行いつつ、NAS自身の責任を以てDACまでレンダリング後のデータを転送します。
これを言い換えますと、サウンドデバイスにあたるUSBDACはNASと直接シリアル接続されており、
接続されたUSBDACはNASから見ると自身の内部デバイスとして認識している形、と解釈して頂ければ宜しいかと。
このASUSTORのスタイルをもっと簡単に表現してみるとしたら、PC⇒USBDACと同じPCオーディオスタイルと言えます。

しかし、同じく映るPC⇒USBDACとも違いが存在しています。
ASUSTORを利用する場合は、DAC用ドライバのインストール作業の必要がありません。
DSD256再生にも対応した再生ソフトついても “Hi-Res Player” という専用アプリケーションが用意されています。
これをNASの初期設定時に導入する事になるわけです。が、PCへの導入手順よりもかなり簡略化されてる事から、
「迷い」「戸惑い」と言ったPCオーディオに付きものな “初期設定の煩わしさ” は大幅に改善されています。
つまり、NAS設置を目的とした初期設定さえ終えてしまえば、PCオーディオの詳しい知識を持たずしても
DSD256をも対応できるハイレゾ・PCオーディオを導入する事が出来るわけです。
※他に、マルチメディア用アプリのGUI化を実現する “X.org” (X Window System) のインストールも必要です。
※オリオスペックでご購入頂く場合、HDD搭載やサーバアプリ一式の実装を含めたNASの初期構築作業一式を承る事ができます。
 ですので、お客様はUSBDACの接続のみでハイレゾ・DSD再生の初期設定を完了させる事が可能というわけです。


また上級機のAS5002Tについては、CDプレーヤーの様に 「SPDIF(TOS)出力 ※PCMのみ可」 も実装しておりますので、
USBDACに限らず、USB端子未実装のDACと組み合わせてのミニマム・システムの形成すら可能にします。
これは、PCやネットワークプレーヤーを利用せずとも、手持ちの従来型DAコンバータとTOSLINKケーブルを用いて、
NASをベースにしたエントリーシステムやセカンドシステムの構築が可能である事を意味するのです。


【ハイレゾ・DSDのサウンドが安定的に再生される、ASUSTORのNASが対応出来たUSBDACはどの製品か?】

ASUSTORのNASに実装されたOSは、Linuxのカスタムだそうです。
※プレーヤーは、コントロールアプリから推測するに Music Player Daemon かもしれません(詳細不明)
また USB AUDIO CLASSに対応しているそうですので、
原則として、PCM96kHzまではUSB AUDIO CLASS1.0ドライバ対応のUSBDACを、
サンプルレート96kHzオーバーのPCMやDoP Standardでパケットを送信するDSDファイルは、
USB AUDIO CLASS2.0ドライバ対応のUSBDACを利用する事が可能です。
しかしながら、現実の動作安定性及びDoP StandardによるDSD256再生対応という観点で判断すると、
現在のところはiFI製のNano iDSDやMicro iDSD、リリースされたばかりのiDAC2が推薦機種となるそうです。

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< 左:iFI Audio Micro iDSD   右:iFI Audio iDAC2 >
--------------------------------------------
※DoP Standard1.0を利用したUSBパケットストリームにおいて、現時点唯一DSD256再生を実現しているDACメーカー。
 これは、MacOSXでノンドライバーによるDSD256再生が可能なことを意味しています。
 また代理店ではサポート外になりますが、Linuxでの利用についても考慮の上設計されているそう。
 同様のデバイス構成となるUSBDACは他メーカーでも存在しているのに、何故iFIだけがそれを実現しているのか?
 その理由は、パケット処理のキーデバイスであるXMOSを自社カスタムしているから。
 DACチップをはじめとしたD/Aコンバータ部、アナログ出力段、電源部の議論で概ね完結する従来型DACの視点に加え、
 このUSBコントローラの仕様は、USBDACを構成する技術の中でも大変重要な要素にあたります。
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【ASUSTORのNASのプレーヤー画面】

以下の画像に示すプレーヤーの再生画面を操作する事になります。
この画面の操作は、パソコンやスマホのブラウザからでも操作できますし、
コントローラとなる対応アプリをタブレットに入れて、それのみで操作する事も可能です。
※現時点で動作確認がとれているコントロールアプリは、iOS用の “MPoD” のみになります。

ユーザーの使用感に最も強く影響を及ぼすだろう操作画面についてはまだ雑然としている部分もありますし、
タブレットを利用したコントロールアプリケーションへの対応も充実を図る必要があるように思います。
これらの課題については、今後の動作検証結果やファームウェアのアップデートに期待したいと思います。

ちなみに、特にアップデートをして頂きたいパートは、サンプルレートとファイルフォーマット表示の明瞭化です。
デモ時において、S壱号が24/96FLACファイルを16/44.1WAVEファイルと誤認してしまいました。
このデモ音源、MoraのハイレゾFLAC版とCDリッピング版の2種のデータを持っていた事から混同が発生しています。
本当のことを言いますと、画面上にその旨の情報はちゃんと表示されているのです。
がしかし、あまりに目立たない表示で、画面を見ているにも拘わらず視認できなかったわけです。

この点においてアップデートが行われたとしたら、現実の利用形態において大変有益に作用すると思います。
以下、例を挙げてみます。USBDAC本体には送られてきた音源のサンプルレートを表示する機能はあるのです。
が、リーズナブルなものはカラーLEDのインジケータのみの搭載で、DAC本体でのサンプルレートの識別は容易でありません。
ifI AudioのDACもこの例に漏れませんし、他にもその様なタイプが多数見受けられます。
DAC側での改良という方法もあるのですが、実際の利用時には再生ソフトの操作画面を見る時間が最も長いでしょうから、
NAS側で改良したほうが恐らく使い勝手もよくなるでしょう。

s-NAS_11.2M.jpg
<PCのブラウザから見たASUSTOR NAS実装のHi-Res Player>


【ASUSTOR NASのハイレゾ・DSDオーディオ対応化に絡む、ちょっとした裏話】

ASUSTOR製NASのUSBDAC直接接続機能とプレーヤーソフトウェアの開発については、
その立ち上げ期からリリースまでの期間、Netaudio誌浅田さんをはじめとした
PCオーディオ・ネットワークオーディオ分野における知識・経験を有す皆様によって
度重なる試用レビュー・フィードバックが行われた、と聞きます。
ASUSTOR自体のカラーを鑑みますと、PC関連業界に脚を着ける会社であるのは紛れもない事実です。
しかしながら、ハイファイオーディオ志向の極めて強い機能実装に際しては、
オーディオに知見を持つ関係者との連携を諮りつつ、真摯に開発が進められてきたようです。
従い、ファーストリリースのロットにおいても、サウンドという観点から判断して
既にハイファイオーディオとして十分な適性が認められる製品レベルにまで仕上がっています。

今回のイベントで解説をお願いした評論家の土方さん曰く、
ASUSTOR製のNASを初めて試聴した折、そのサウンドクオリティに目を見張ったと仰います。
また、このイベントに先だって行われたiFI製DACのイベントにおいても、
ASUSTOR NAS・iFI DACの組み合わせのサウンドクオリティは、
ご来場のお客様のみならず、評論家の野村さんやiFIの関係者の方からも驚嘆の声があがりました。
これは、前述のASUSTORとその代理店様による、これまでの真摯な開発姿勢の賜物でありましょう。

この手の製品は、リリース初期におけるポテンシャルだけでなく、継続開発にて完成度を上げていくことが重要です。
立ち上げ期において、検証結果のフィードバックに対するメーカー側の修正対応は大変素早かったらしく、
関係者から高い評価を受けていました。この点は我々も同様に感じておりまして、
ユーザーサイドの声を積極的に取り入れようとする姿勢には好感を抱いておる次第です。
今後もこの様な流れで製品の完成度を高めてくださる事に期待したいと思います。

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<左:開発段階から評価を続けてこられた、Netaudio浅田さん>
<右:ASUSTOR NASによるサウンドクオリティを高く評価される、評論家土方さん>


【試聴した際のサウンドについて】

今回のイベントでの楽曲のテーマは、80年代のJROCK・JPOPを据えました。
その理由ですが、ここ数か月の間、この時代にあたるJROCK・JPOPライブラリのハイレゾ化が行われ、
moraさんやeonkyoさんから多数のリリースがあったからに他なりません。
かつて、そして今現在、これらの楽曲をCDやアナログで聴いている皆さんと共に、
ハイレゾ化されたそれらのライブラリによって何を感じ取る事が出来るのか、
楽曲が今改めて何を伝えてくれるのか、いっぱいお話してみたいと考えました。
また、ロックと言うサウンドに秘められる独特の魅力、あるいは楽曲から感じ得る何ものかを捉えるのにも、
ASUSTOR NASとiFI USBDACの組み合わせは十分なクオリティを有する製品であるとの判断から、
今回のイベントでのメイン試聴機に選定した次第です。

私どもの思惑とは反しまして、当日ご参加頂いたお客様の多くの皆さまにおかれましては、
この年代のJROCK・JPOPにはほとんど関心を持たれていないように見受けられました。
そのような経緯から、途中からテーマを逸脱して一般的にオーディオ試聴で用いられる楽曲を演奏する事となりました。
急きょご用意させて頂いた試聴楽曲におけるお客様のサウンド評価は、概ね好評を頂いた次第です。

改めてご用意したそれらの楽曲はオーディオ的な意味において非常に良い録音・マスタリングを施されている事も手伝って、
正直どのシステムで試聴したとしても、それなりのサウンドが得られるものでございます。
踏まえ、今回のASUSTOR NASとiFI USBDACの組み合わせにおいても
オーディオ的視点で他の製品と遜色のない十分なプレイバッククオリティを実現しておったことから、
ハイファイオーディオ機器として越えねばならない基本的なラインは十分以上に満たされておる、と解せるでしょう。


以上、御礼とご報告としまして。
 
【御礼】iFI-Audio Retro System 試聴会& 新製品micro iDAC2 vs nano iDSD、micro iDSD試聴会
皆さん、こんにちは。
連日暑いですね。夏は始まったばかりなのに、もう結構な感じです。

何故かここのところバタバタしておりまして、忙しさにかまけておりましたら、もう7月末。
「あ、iFIさんイベントの御礼記事、書いてないじゃん!」と、いまさら気が付いたのでございます。

したらばなんと、Philewebさんのニュースにこのイベントのまとめ記事が載ったではありませんか。
うーん、十分過ぎるほどの内容。やっぱプロだわ。
という事で、当該イベントのまとめにつきましては、以下のPhilewebさんをご覧くださいませ。

音元出版 Philewebさんのイベント紹介記事


さすが今人気のiFI製品に関するイベントですねえ。
参加のご予約をバンバンと頂戴しまして、お馴染みの常連様をはじめ、多くの皆さまにご参加頂きました。
いつも盛り上げてくださいまして本当にありがとうございます。

s-20150718お客様.jpg

「では、これにておしまい」ってわけにはいきませんので、
このイベントの裏話とか当日印象に残っている事を綴ってみようと思います。

このイベント、元々の始まりはiFIさんのコンプリートシステム Retro Stereo50 の発売が切っ掛けでした。
スピーカー推しであるオリオスペックですし、マニア層では無い一般の皆さまにも
ちょっといいオーディオで聴く音楽の楽しさを感じて頂きたい、という願いを持っておりました関係で、
このRetro、私どもにとりましては、まさにどんぴしゃりなモデルだったのです。
オールドマランツを小型にした様なヴィンテージオーディオを彷彿とさせる外装デザインもイカシてますし、
Stereo50っていうシステム名にしたって、まるでDynacoの管球式ステレオパワーアンプみたい。
おまけにオーディオ史に燦然と輝く、かのLS3/5Aをモジッた名前のスピーカーですもの。
そりゃあ興味も湧きますって(笑)

ですので、S壱号、S弐号とも事前のヤル気、満々だったのですよ。
「ハイレゾはこれから何処でも聴かせてくれるでしょ? アナログも鳴らしちゃう?」とか、
「センターユニット部のパフォーマンスを確認するためにも、標準構成以外のスピーカーも鳴らしてみようよ」とか。
当時のLS3/5Aを持ち込んでみようかな、なんて実は目論んでたんです。

s-iFI_Retro.jpg

で、Retroの情報を事前に確認していると、色々と知りたいことも出てきたのですね。
例えば、真空管アンプの構成とか、スピーカーの構造とか。結構興味深いところがありましてね。
「出力管のEL84xの “x” って何?互換球?選別?iFIさんのブログを読んでもよくわかんない」とか(笑)
ドライバー管にECF82ってのもちょっと面白いです。確か、高周波増幅で通信機に使われた球だったかと。
スピーカーの構造を見ると、長いダクトを使ってユニット毎にチャンバーを形成してるように見受けられるし。
皆さんと一緒に、この手の突っ込んだ質問をしてみたかったわけです。

直前の販売延期によりまして、ちょっと水を差された気分。
楽しみにしてただけに、このガッカリ感は相当に大きいものでした。
同じくRetro Stereo50試聴会に期待してた多くの皆さま、ホント申し訳ありませんでした。
発売延期の理由なんですが、Bluetooth周辺部の改良に伴う再びの技適申請の様です。
iFIの国内関係者の皆さまのご心労を思うと、それはそれでお気の毒でございます。
Retroのイベントは、時期を改めてまた仕切り直ししましょうね。
「遅れてきた大物」、そんな言葉があったりします(笑)


さて、イベント本番は講師の野村ケンジさんによる解説で進めて頂きました。
そんなわけで、進行はぜーんぶお任せ。S壱号もS弐号ものんびりです(笑)

野村ケンジさんといえば、アニソン。お馴染みでございます。
ですが、今回はアニソンに関係ないちょいと懐かしい洋楽やJロックなんかも掛けてくださいました。
これにはS壱号もS弐号も立って大喜び。お気遣い、ちょっと特別な感じで嬉しかったです。

s-野村ケンジさん02.jpg
< 野村さん、iDAC2とNano iDSD、Micro iDSDの違いを説明するの図>

で、メインとなった内容は、iFIさんの主力DAC3機種の聴き比べ。
iFIさんの新製品iDAC2を筆頭に、既存のNano iDSD、Micro iDSDを徹底比較です。
関心の高いiDSD2に加えて、とんでもない人気の既存二機種の比較ですからね。
参加のお客様の目の輝きが違います。耳の感度もビンビンでございましょう。

で、それらの違いをざっと。

まずは外観上の判別から。
ちなみに、iDAC2はバッテリー非内蔵です。したがって、据え置き専用想定です。

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< Nano iDSD Front / Rear >
※ヘッドフォン端子はステレオミニジャックです。LINE OUTはRCAのバリアブル出力。
※USB入力はUSB B端子。SPDIF(COAX)のOUTを搭載です。
※トグルスイッチは2種のフィルター

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< Micro iDSD Front / Rear >
※USBのコネクタが特徴的、CCK/OTGが直結できるUSB A端子。
※LINE OUTはRCAで、出力レベルはフィックスとバリアブルの切替式。
※SPDIF(COAX)はIN/OUT兼用。付属アダプタでOPT INも可。
※ヘッドフォン端子はステレオ標準ジャック。ステレオミニ端子側はアナログ入力です。

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< iDAC2 Front / Rear >
※よく見たら、Nano iDSDとそっくりです。
※LINE OUTはRCAで、出力レベルはフィックスです。SPDIF(COAX)はOUTで、Nano iDSDと一緒。
※トグルスイッチのフィルター切替は、Nano iDSDよりモードが増えてるみたいですね。
 iFIさんのwebによると、Micro iDSDと同じフィルター仕様のようです。

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< Nano iDSD Upper >
※タバコサイズでバッテリー内蔵です。

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< Micro iDSD Upper >
※Nano iDSDの倍のサイズでしょうか。バッテリー内臓です。
※側面に3つのスイッチ。出力のモード設定や位相切替、フィルター設定です。
 多種のフィルターが実装されているので、Nano iDSDよりも多彩な切替が可能です。

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< iDAC2 Upper >
※Micro iDSDと同じ長さです。が、しかしバッテリーは内蔵していません。
※天板にインジケータ3つが付いてますね。


次はサウンド。Nano iDSDを基準として、iFI DAC三製品での比較論とします。
これ、個人的な印象ですので、別に違って捉えておられても宜しいのですよ。
あと、スピーカーデモでの印象ですから、ヘッドフォンデモでの印象とは変わる可能性もありますね。
悪しからずご了承くださいませ。

お題のサウンドはトランペットソロ。
『響け!ユーフォニアム』というアニメのオリジナルサウンドトラックからだそう。
ブラバン上がりのS弐号、レーダーの感度も上昇中。

【Nano iDSD】
力強さと勢い、とにかくこれが魅力。
とはいえ、Micro iDSDやiDAC2などの上位モデルと聴き比べてしまうと一本調子な表現に感じてしまいます。
「表現するための語彙をまだ沢山は持ち合わせていないけれど、かなり賢い少年」 と言いましょうか。
エントリーレンジにカテゴライズされるプライスを考えたら上出来なので、これはこれでいいと思います。
Nano iDSDのユーザーさんがこれに物足りなさを覚えたとしたら、それは “オトナな表現力” になるのかもしれないなあ。

【Micro iDSD】
テイストはNano iDSDに近いのですが、nanoの持つ前に出る力強さに加え、引きの表現も上手にこなすので、
アタックの様なパンッとした立ち上がりだけでなく、クレッシェンドやビブラートのような揺らぎすら非常によく表現されてます。
金管を吹いてる感じがよく捉えられており、大げさにいうとトランぺッターのアンブッシャーすら見てとれるよう。
また、濁る音さえキッチリ表現しちゃう 「ありのままに暴く」  辛い顔すら持ってるようにも感じます。
実体感という意味でこれがいちばんトランペットの演奏らしくて、リアルとも言えましょう。
管・弦問わず、アコースティック楽器の再生は特に合うように思います。
フラメンコギターとか試し聴きしてみたい気分。

【iDAC2】
Micro iDSDの表現を踏襲しつつも、実体感という意味でのリアルさより
オーディオ的な意味での “美しく小キレイなサウンド” にチューンされているように感じます。
いわゆる「美音系」にカテゴライズされるサウンドかと。
ハーモニーや響きが実態以上に美しく表現される感覚なので、
Micro iDSDよりも、iDAC2のサウンド基調を好まれる方は結構いらっしゃるんじゃないかしら。
すべてを暴かれるより幸せに囲まれた幻想の世界を・・・って方、いらっしゃいますからね。
電子楽器や打ち込みですべて構成された楽曲は、特に魅力的に表現するかも。
ボカロなんかもいいんじゃないかしら。個人的にはアナログシンセの音とかを聴いてみたいと思いました。


ストレートなサウンド基調は共通なんですが、やっぱり出音には明らかな違いを感じました。
iFIは各モデル毎にサウンドチューンを施している事実、ちゃんと感じとれた次第。
特にiDAC2は据え置きDACとしての位置づけだそうですので、
LINE OUTのサウンドクオリティには、ニュアンス表現の向上など、特に配慮されているのだそうです。


ほかにも、USBDACとの直接接続でDSD256 (11.2M) 再生を実現したASUSTORのNASとiDAC2との組み合わせで、
ちょっぴり試聴を行いました。この組み合わせは、次回のイベントで詳しくやってみようと思います。

s-NAS_11.2M.jpg
< ASUSTOR NAS実装のプレーヤー画面 >


こんな感じでございます。

iFIさんのDACにつきましては、店舗で常時デモ可能です。
お好みの音源を、是非皆さまのお耳でお確かめください。お待ち申し上げております。

今回ご参加頂きました皆さま、またご協力頂きました関係者の皆さまに心よりお礼申し上げます。

 

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